武庫川女子大学の甲子園会館(旧甲子園ホテル)は

フランク・ロイド・ライトの愛弟子である

遠藤新が設計した近代化産業遺産であり

登録有形文化財です

この素敵過ぎる建物は現在大学の校舎になっていて

普段一般人は入る事ができないんですが

時々見学会が開催されていているんですよ!


これは3月の話なのでだいぶ時期がズレますが

桜の時期は普段の見学会とは違う特別な見学会

「桜の見学会」が開催されるとの事だったので

ウキウキで参加して来ました!

因みに見学会の参加予約は電話のみです

受付開始と同時に電話したけど

回線がなかなか繋がりませんでした

桜の見学会、大人気やな!

正面からの外観がもう素敵♡

左右対称のデザインが基本


こちらが正面入り口の中から撮った写真

真ん中のドアは回転ドアになってます

流石は元ホテル!入り口から素敵です♪


入って右手の廊下を進みます

レッドカーペット

大学なのに溢れるホテル感


途中の部屋の窓ガラスには

なにやら不思議な模様が描かれてました

なんだか気になるデザインですね


これは欄間窓の前に作られた

泉水と呼ばれている水鉢です

こちら側からだとシンプルな水鉢に見えますが


正面から見ると打出の小槌の彫刻が施されてます

遠藤新はこの甲子園ホテルを建てるにあたり

打出の小槌と水滴の意匠を多用しています

パッと見はわかりにくいけど


よく見ると全部打出の小槌やねん

縁起良さそう


この水鉢、冬至の日の朝にだけ

欄間窓から差し込む光が打出の小槌を照らすように

設計されているそうで

それを見る為の「冬至見学会」が

毎年開催されているそうですよ

素敵♪


水鉢のある場所から扉を開けて西ホールへ移動

途中で見かけたレリーフも金の打出の小槌です

これまた縁起良さそうだな!


こちらは元ダンスホールだったらしいです

ホールの天井は障子を思わせる市松模様

美しい!

当時は和紙を使用していたそうですが

耐久性などの問題で現在は違う素材を使ってます


ホールの奥はなんだかゴージャスな雰囲気

こちらは滝をモチーフにした天井

師匠であるライトも遠藤新のこの天井デザインを

とても良いと褒めていたそうです

打出の小槌を伝って滴り落ちる水滴だそうです

めちゃくちゃ手が込んでいる

これはもう溜息しか出ませんね!

和洋折衷のモダンで素敵なホールでした

こちらは勿論現役のホールなので

毎年ここでピアノコンサートとかやるらしくて

大学の皆さんがとても羨ましいと思いました

素晴らしい場所で素晴らしい音楽が聴けるなんて

最高に贅沢ですね♪


では、一度外に出て

先程のホールの外観を見てみましょう

はぁぁ!この素晴らしさったら!

さて、ここで特に注目すべきは屋根のデザインです


屋根の真ん中に流れてきた水が

左右それぞれに水滴になって弾けるイメージ

躍動感がある!

屋根の真ん中にある宝塔の形も打出の小槌ですね

これでもか!ってくらい打出の小槌を推してくる

遠藤新、打出の小槌が好き過ぎへん?


ホール入り口の左右の壁には

不思議なデザインのレリーフが

これは直線主体で描かれたデザイン


そしてこちらは曲線主体で描かれたデザインです

玄関付近にあった窓ガラスのデザインと似てる

窓ガラスとレリーフのデザインには関連性がある

と校内の説明にも書かれてたけど

それ以上の説明はなかった

どう言う意図があるのか気になりますね


再び屋内へ戻り他の部屋の中も見学します

暖炉の周りのデザインも

やはり水滴モチーフです

暖炉を挟んで左右でデザインの凹凸が違うの

めちゃくちゃ細かくないですか⁈


こちらは東ホール

かつては食堂でしたが

現在は学生さん達の建設スタジオになってます

こんな素敵空間で建築が学べるの羨ましい!

正に本物に触れて学べる環境ですね


この部屋も奥の天井が美しかった

この真ん中部分のデザイン

ライトのイニシャルのWを表しているのでは

と言うお話でした

ホンマや!よく見たらWや!面白〜い!


さてさて

私的今回のメインスポットにやってきました!

半地下にある元BARです!

乱貼り技法で貼られた床一面のタイル達

この中には泰山タイルも沢山混ざってるんです〜

素敵過ぎてどうしていいかわからない!


並べられた椅子も当時のもの

座ってもいいとの事なので座らせてもらいました

はわわ!嬉しい過ぎるよ!

タイルに小さなシールが貼られているのは

学生さん達がBARのタイルについて

研究している最中だから、だそうです


でもBARカウンター近くのタイルには

シール貼ってなかったし

部屋の真ん中のタイルより保存状態が良かった

台とか置いててあまり人が踏まなかったのかな?

ああああ!このバランス感

素敵です〜♪

明らかに泰山タイルじゃないのもあるけど

様々なタイルが組み合わさって出来るこの雰囲気

最高じゃないですか⁈


この部屋の暖炉も水滴デザイン

そして暖炉の左脇には


タイルを並べて描かれた1930の文字が

これは竣工年を表したものです


一部のタイルはワザと裏向きで埋め込まれてます

職人さんの遊び心ですね

粋だわぁ


私、このBAR見る為に見学に来たとこあるし

めっちゃ素敵やったし

じっくり見まくれたし

これだけでもう大満足だよ!!


て事で、甲子園会館の見学は一旦切り上げ

外へ出て新しい建築スタジオへ向かいます

新しいスタジオはめっちゃ綺麗でした

学生さん達の制作途中の作品が置かれていて

どれも凄いなぁと思いました

作品は撮影禁止です


エレベーターで屋上へとやって来ました!

何の為にわざわざ屋上へ来たのか?

それは、ここから甲子園会館を眺める為です!


じゃじゃーん!

これが屋上から眺める甲子園会館だ!

…えーっと

この手前の枯れ木みたいなの、全部桜なんですよ

覚えてらっしゃいますでしょうか

今回の見学会は「桜の見学会」なのです

本来なら満開の桜越しに建物が見えるはずでした

でもほら、なんか今年は桜の開花が遅かったから

3月下旬でもこの有り様だったんですよね〜

うふふ、超残念〜!


そんな訳で、なんとか咲いてる桜を入れて

頑張って桜と甲子園会館を撮ってみた

無理矢理感が凄い


見学会のお土産に

オリジナルクリアファイルを頂きました

和風の個性的なデザインですね


帰りに駅の側にあるライト洋菓子店へ寄りました

懐かしい雰囲気のお菓子屋さん

先先代が甲子園ホテルで製菓長をされてたそうで

昔ながらのお菓子が味わえます


天皇陛下へ献上されたと言うマドレーヌを購入

昔懐かしい味わいでした


甲子園会館、桜の見学会

桜は残念でしたが建物見学は大満足でした!

今回はだいふ内容を端折りましたが

本当はもっともっと素敵な所があるし

ここに載せきれないくらい見どころがあります

有名なのでご存知の方も多いと思いますが

是非実際に訪れて欲しい素敵建築ですね♪

なんとか桜を入れようと試行錯誤したけど
撃沈しまくったのも今となっては楽しい思い出♪