それは同じではありません! | 貿易屋さんのまっとうなブログ

2週目にしてメラメラ週一UPメラメラの言葉を違えた貿易屋さんです。


いや~、先週は実にハードなスケジュールでした。その上、名古屋は連日37度超したそうで、営業活動はすこぶる非効率的でした。

なんといっても移動だけで体力を消耗します。「HP回復」に喫茶店やコンビニに寄る頻度がいつもよりあがり時間もかかります。


さて早速ですが、べたな質問からスタートです。

鉄の塊1000kgと綿の塊1000kgはどちらが重いでしょうかはてなマーク

はい、その通りです。どちらも同じです。イメージでは鉄の方が重そうですが、両方とも1000kgですので同じです。



しかしビックリマーク


実は貿易屋さんの立場でお答えしますと、これら二つは全く重量が異なり、確実に綿は鉄の何倍も重いことになります。


なぜかはてなマーク


実は貿易において貨物の「重量」とは


  実重量(はかりで示す重量)

  容積重量(体積から換算する計算上の重量)


の2つがあり、比較して重い方をその貨物の重量とするルールがあるからです。

ふわふわの綿は体積において鉄よりもはるかに大きくります。故に実重量は同じでも容積重量が大きく異なるのです。

一般的に貿易は航空便か船便が運送手段となります。
それぞれの容積重量の算出方法は以下の通りでこれは取り決めごととなっています。

航空便:貨物の縦x横x高さ(cm)÷6000 単位kg
船便:貨物の縦x横x高さ(m) 単位t


では、鉄と綿の容積重量を計算してみましょう。

鉄1000kg

おおよそ0.5x0.5x0.5mのサイズになります。

航空便:50x50x50÷6000=20.83kg
船便:0.5x0.5x0.5=0.125t

鉄の容積重量のなんと軽いことでしょう。しかし実重量はきっちり1000kgありますので、どちらの輸送方法でも1000kgとして扱われます。


綿1000kg

体積については、我輩、現物を見たことがありませんし、調べてもわかりませんでしたので3x3x3mと仮定します。

航空便:300x300x300÷6000=4500kg
船便:3x3x3=27t

なんと実重量は1000kgなのに航空便は4500kg、船便においては27tとして扱われてしまうのです!

そしてもちろん、運賃は実重量容積重量の重い方で決定されます。運賃は会社によりさまざまですが、綿1000kgの輸送は鉄1000kgよりもはるかに金額が高くなることは間違いありません。

ひどい叫び


と思われるかもしれません。しかし、これには合理的な理由があります。


想像してみてください。


あなたは実重量ベースでのみ運送業を営んでいるとします。そこにパンパンに膨らんだ風船をできる限り運んでほしいという商売が来たとします。貨物はもちろん満載のほうがありがたいです。しかし、


あなたはこれをよいビジネスだと思われるでしょうか?


膨らませても風船など数グラムです。何個運ぼうが運賃は最低限の価格しか請求できなくなります。そのくせ、積載スペースはすべて占領されてしまい他の荷物を載せることはできません。


これでは例えどんな近い場所に運ぶにしても、あなたの人件費や経費を考えれば、大赤字となりませんか?


運送業もビジネスです。まっとうな商売を続けるためにはこの容積重量という考え方は不可欠なのです。

国内の宅配便は大きさに関係なく重量のみで金額を提示しますが、これはお客様の利便性を考えたうえでの判断で本当は体積を気にしているはずです。貨物の容積重量は問わない一方、最大値を設けていることがその証拠かと思います。


いかがでしたでしょうか?

あなたのこころに「へぇ~」、「そうなんだ」、「なるほど~」をお届できたことを祈ります。


注:今回の例は容積重量を分かりやすく説明するためだけに挙げています。故に実情に沿わない点があることをご了承願います。例えば綿の寸法を3x3x3mと仮定しましたが、このサイズはコンテナに積めません。ですので普通であれば梱包の仕方を変え寸法を変更するでしょう。