生まれたばかりの赤ちゃんは、それから数カ月間、そして 1年ほどの間、「世界を認識するために、必死で物を見て、音を聞く」のですけれど、過去の研究で、「赤ちゃんが最も見続けているのは《人々の顔》」だと知ったのです。
「生まれてから、丸1年間、周囲の誰の表情もわからない中で生活した赤ちゃんはどうなるか」
というと、「人の感情を学習する最初の、そして根本的な機会を失う」ということになりはしないだろうかと思ったのです。
今は、外へ出ると「マスクで、誰も周囲の表情がわからない」世界に現在の赤ちゃんたちは生きています。
もちろん、家では親あるいは兄弟の顔と表情を見ることができるでしょうけれど、人間が生活していく上で最も大事なことは、「社会の中での他人とのコミュニケーション」です。
つまり、乳幼児たちは、親以外の人たちの感情や気持ちも学んでいく必要があります。
今現在のマスク社会の赤ちゃんたちは、その学習が阻害されてしまっていることに気づいたのです。
感情の把握には、「口」の表情がとても重要だと思われるのですが、そこがマスクで見えない。
現在のこの状態が長引けば、「人間の感情を把握することができない人たちの集団が形成されていってしまう」のではないかと懸念されるのです。
ここにマスク社会の最も深刻な弊害があることに気づいてしまったのです
この中で最も重要だと思われるのは、
> 生まれたばかりの赤ちゃんたちは表情を理解していないことがわかった。
という部分です。
最初、人間は、「人の感情と表情というものに関しての見識がない状態で生まれる」のです。
しかし、どんどん赤ちゃんたちは人の表情を理解し始める。
その学習は、基本的に周囲の顔によるものだということも先ほどの記事でわかります。
成長に個人差はありますが、1歳の頃には、すでに「相手の表情と自分の社会的な行動が関係する」ようになっている。
「人類史上初めてとなる、数カ月あるいは数年にわたる顔の見えない社会」が、今、展開されています。
感情がわからない人間集団による社会。