ブログ村に参加しています。バナークリックのご協力を宜しくお願いします！！！
※このブログは、フィリピンはマニラから車で約１時間半ほど南下したところに位置するカビテ州バコール市在住の６０代日本人男性によるレポートを基にお届けしてます。
マガンダン ハポン！
皆さんこんにちわ。
現在、フィリピン運輸省がマニラ首都圏で行っているインフラ事業として、最も注目されているのが「世紀のプロジェクト／Project of the Century」と呼称される「マニラ首都圏地下鉄／Metro Manila Subway」です。
出典：CNN PHILIPPINES
路線が計15駅、全長36kmの地下鉄網であり、時速80kmで走行、マグニチュード8.0の地震にも耐えられる地下鉄として工事が進められております。
2019年2月27日バレンズエラ市にて起工式が行われ、今年2024年完成を目標に工事が開始されましたが、新型コロナウイルス感染症の流行などにより工事は遅延しており、当初は「2025年に部分的に運用開始、2027年に完成」と変更アナウンスされましたが、現在では更に「2028年に部分的に運用開始、2029年に完成」と大幅に予定が遅れてしまいました。
非常に大規模なインフラ開発で、世界各国からも注目されており、事業費は、現在の為替レートで日本円換算すると約１兆円です。
日本政府も本プロジェクトを支援しており、2017年11月には、故安倍首相と前大統領ドゥテルテ氏との間において、円借款で協力を行う旨の覚書が締結され、現在、この事業費の多くは日本のJICAの融資によって成り立っています。
2月27日の起工式では、イトゥガデ運輸相が日本の協力に謝意を示しました。
完成すれば、バンコク地下鉄（タイ）、ジャカルタ地下鉄（インドネシア）、トムソン・イーストコースト地下鉄（シンガポール）、ホーチミン地下鉄（ベトナム）に続いて、東南アジアで５番目に大きい地下鉄網となるそうです。
このような日本が支援する外国のインフラ整備事業を考えたとき、私たちの記憶に新しい事件として、インドネシア初の高速鉄道として立ち上がった、首都ジャカルタとバンドン市の間の約140kmを結ぶ一大プロジェクト（昨年運用開始）の話が持ち上がります。
日本政府は、1964年の開業以来、死亡事故０という偉業を続けている、世界に誇る日本の新幹線を輸出するということに注力してきました。このインドネシア高速鉄道も、当初は日本が受注する予定でした。
しかし、途中から中国政府が自国の高速鉄道をインドネシアに売り込みを始め、安全性をアピールしていた日本に対し、中国はスピーディーな工事とコストの安さをアピールしました。
結果的に、インドネシア政府は、日本と中国にて行われていたプロジェクトへの入札競争を一度白紙撤回し、その直後、財政負担を伴わない中国案を採用すると発表しました。
決定的だったのは、中国がインドネシアに対し、もし融資の返済に問題が生じても、インドネシア政府は返済を約束しなくてもいいよ、と、政府保証を求めなかったことだとされています。
そうです。インドネシア政府は、日本を裏切ったのです。
2022年には、工事中の建設現場にて機関車の脱線により2名の死亡事故まで起きました。
更に昨年2023年には、日本とインドネシア間で半年以上に渡り議論されていた日本製の中古車両輸入について、最終的に「日本からの中古電車の輸入は一切認めない」という答えを出しました。
しかし、フィリピン政府は最初から現在に至るまで、日本の支援を高く評価しており、インドネシア政府のように裏切るようなこともありません。
三井住友建設、東急建設、大成建設、清水建設、フジタ、竹中工務店と、名だたる日本の一流のゼネコン、建設会社が担っています。
中国としては、最も重要な首都圏通勤線や地下鉄を日本に総取りされたことに地団駄を踏んでいるでしょう。
■三井住友建設 担当CP103区間
イーストアベニュー駅～オルティガスノース駅（アノナス駅、カティプナン駅舎工事含む）
■東急建設 担当CP104区間
オルティガスノース駅～ショウ駅
最近、Facebook上でもこの地下鉄についてメディアが取り上げているので、最近見かけた記事をいくつか紹介します。
Railway Engineering PH
Emerging Philippines
GMA News
地下鉄網内部の写真が公開されています。とても近代的な工事現場です。
是非、工事関係者の皆さんがご無事に完成まで進まれることを祈ります！
今日はここまで！
サムリン パッキキタ パアラン！
当ブログの記事や写真の無断転載禁止してます。よろしくお願いします。
バナークリックのご協力を宜しくお願いします！！！
