今日はアンプラッツアーでも小さい子に治療を行えるのか?についてお話しましょうね。


一般的に、穴が大きくて、レントゲンとか心エコーで明らかに心臓に負担がかかっていると治療適応なのですが、体重が15kg以下だと外科手術が一般的です。15kg以上ならカテーテルを用いた閉鎖術を行うことができます。


でも、実際には、左右の閉鎖栓のdiscが挟み込む中隔の壁が十分じゃない(短いとダメ)と、はずれる恐れがあります。外れないようにおおきめのサイズの閉鎖栓を用いると侵食といって、あとから心臓の外に出血して緊急手術になることがあると言われています。


このブログにたどり着く前に、みなさんネットは、アンプラッツアーを用いた心房中隔欠損の治療で、侵食が起きてしまったかたのブログを読まれた方も多いかもしれません。起きてしまうと大変な合併症といえます。しかし、合併症の頻度は0.3%程度。世界中で、この合併症を減らす努力をしています。リスクの高そうな穴の形(欠損孔周囲の状態)も、わかってきています。国内でこのカテーテル閉鎖術で死亡した方はおりません。


この1か月で、ぼくのいる病院でも2名のかたに外科手術をすすめました。ぼくらは、何が何でもカテで治療したいわけじゃありません。それじゃただのやりたがり屋さんです。カテーテルに不向きな心臓の形のかたは、やっぱり従来通りの外科手術がよいですね。


国内で2005年から開始されたこのカテ治療も3500名以上のかたが治療を受けられています。外科の手術治療は0.01%の頻度で手術死亡があると言われます。カテ治療の良いところは心臓を止める必要もないですし、傷も残らないし、合併症を合計すると結局外科手術よりもずっと少ないですし。。。たくさんあります。

前にも書きましたが、100%なにも起きない治療というのはあり得ないでしょう。人間がやることですから。でも、この先、どの治療を選ぶかは、よく、担当の先生の話を聞いて、最終的な判断を下すのは皆さんです。


いろんなことを言ったり書いたりすると、わけわかんなくなっちゃいますよね。そんなときは、自分が信頼できる先生にお願いするのが、きっとよいのでしょうね。


なんか、話がそれちゃいましたが、海外では10kg程度の赤ちゃんにも閉鎖栓で治療する場合がありますが、各々の国の経済状況なども絡んでくるので一概に良し悪しいうのは難しいです。幸いにも外科手術は、こういったシンプルな心奇形の場合は非常に高い成功率です。治療の選択肢が複数あることはやっぱり良いですね。