【閃き】先人の知恵 | 早起き税理士・会計士の「本業ブログ」 by 船戸明会計事務所

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 先日、走っているときにふと思いました。「どぶ板選挙」と言うけれど、どぶにも板にも失礼なのではないか。どぶと言えば汚い流れのイメージですが、雨水を流したり、水を確保したり、本来は役割があったはず。板がなければ、人も自転車も車も、どぶ(という名の水路)に落っこちてしまう。どぶも板も、なくてはならないものじゃないか、と。

 ただ、そもそもの勘違いは、「どぶ板選挙」を負のイメージで捉えていたこと。「どぶ板選挙とは、候補の陣営が有権者にきめ細かく接触する選挙戦術のこと。どぶ板は側溝を覆う板。転じて、どぶ板を踏むように路地裏まで入り、一軒一軒くまなく支持を訴えて回る様子を表す」(2022年1月10日、読売新聞)。

 であれば、必ずしも悪い意味ではないようにも思えてきます。後ろに「選挙」がつくので、ろくなもんじゃないと考えがちですが、ろくなもんじゃないのは選挙に勝った政治家であって、選挙制度そのものではないのでしょう。

 数日後、日本経済新聞1面『春秋』の記事を見て驚きました。「「ザルに申し訳ない」。国民民主党の玉木雄一郎代表がおととい、こんなコメントをしていた。衆院を通過した政治資金規正法改正案のことだ。「ザル法」と呼ばれて久しい。広辞苑を開いたら「ざるの目のように荒くて、抜け道の多い不備な法律」との説明があった」(8日、日経)。

 この後には、ザルがいかに生活に欠かせない道具なのかの説明が続いていました。身近なところでは「ざるそば」でしょうか。すっかりプラスチック製になり、植物を編んだざるを見る機会はありません。それでも、それぞれの道具には先人の知恵が詰まっていて、歴史や文化やかつての生活には敬意を払う必要があるでしょう。

 そう、先代の知恵を生かそうとするかどうか、先人に敬意を持って接するかどうかは、極めて重要だと感じます。かつて、税理士として父から承継した顧問先で、先代経営者からとくとくと聞かされたことがありました。「年寄りの話は遮らずによく聞くものだ」と。おそらく2時間くらい話し続けられたはず。1度も遮らず、はい、はい、と言いながら聞きました。

 もちろん、時代は変わり、方法も変わり、カセットテープのように使われなくなるものもあります。でも、かつて使われたものに注がれた知恵や熱意まで否定してはいけない。時代は巡るのですから、古いものは捨てるような態度で接していたら、次は自分なり自分のやり方なりが捨てられる番でしょう。

 お年寄りの話や古い道具やこれまでの慣習に敬意を持って接する。戦略や戦術以前に、人間性の問題として問われる大前提なのだと思います。




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