【対話】流されない決断 | 早起き税理士・会計士の「本業ブログ」 by 船戸明会計事務所

早起き税理士・会計士の「本業ブログ」 by 船戸明会計事務所

毎朝4時起き、スポーツと読書が大好きな税理士/公認会計士がお送りする税務・会計に関する本業ブログです。
トピックスやふとした疑問から、税務・会計の話題を毎日お届けします。

皆さま、こんにちは。
税理士・公認会計士(船戸明)の「本業ブログ」にようこそ。

『鈴木邦男の愛国問答』(集英社新書)を読んでいます。長く右翼活動をしてきた鈴木さん(1943-2023)。若い頃は無理、無茶、無謀なことをしてきたにしても、晩年の発言は右からも左からも嫌われ、求められるような真っすぐな言葉に満ちていました。「イデオロギーを超越した愛国者の「遺言」」と帯文にある通り、筋の通った直言に背筋が伸びる思いです。

 まだ半分くらい読み進んだだけですが、なんといっても、鈴木さんに姿勢が柔らかい。懐が深いという表現はよく出てきますが、それよりも他人の言動に素直に感心し、学んで、吸収しているところが「柔らかい」と感じるのです。

 たとえば、元読売新聞中国総局長で北海道大大学院教授も務めた藤野彰さんと、中国といかに向き合うかを話し合った場面で(2013年10月16日のコラム)。

「〈今や民間企業、シンクタンク、大学など多くの組織は、国籍に関係なく、優秀な人材を求め、実際に活用しています。日本メディアは日本社会の国際化の重要性をいつも訴えているにもかかわらず、自らの組織の閉鎖性にはほとんど無頓着です〉 これには驚いた。そのとおりだ。僕も昔、新聞社に勤めていたが、こんなことは考えてもみなかった。全く「無頓着」だった。ガーンと頭をなぐられた思いだった」(P.129)。

 そう、鈴木さん、何度もいろんな人に頭をガーンと殴られているのです。かといって殴られっぱなしではなく、叙勲制度には反対とか、ピョンヤンで五輪をやればいいとか、現状のおかしな点や間違った発言には手厳しい。強者は放っておけばいい、弱者に手を差し伸べなければ、という姿勢は徹底されていて、そこには右とか左のイデオロギーに関係ない太い筋が通っていると言っていいでしょう。

 言われてみれば、日々、頭をガーンと殴られる思いを繰り返しています。みんなで海に行こうと盛り上がったときに、流されずに「俺は行かない」と言える人に出会ったとき。30歳になった子どもを殴って骨折させつつ「子は親の面倒を見るのが正しい」と信じている親からの人生相談(3日の毎日新聞です)を読んで、「バカな親だなあ」と思うだけでなく、「自分にもそういう面があるかもしれない」と考える人に出会ったとき。

「え、そう考えるの?」という疑問が湧いてくる前に、素直に、「すごいなあ、そう考えるのか」と頭を殴られた感覚になります。こうした小さな「コツンコツン」が毎日ある。他者と触れることで、反省し、学び、自身の考えや言動が変わっていく。鈴木さんの言葉に触れながら、何歳になっても学び続けるための柔らかさを持ち続けたいと、あらためて感じています。




【お知らせ】-------------------------------------

日刊「早起き税理士のスポーツ観戦記」配信中!
→ https://www.mag2.com/m/0001147393.html
週刊「週刊経理便」配信中!
→ https://www.mag2.com/m/0001689556.html
船戸明会計事務所ホームページ 更新中!
→ http://asayoji.fan.coocan.jp