こんにちは、公に義を貫くことを志としています赤磐市議会議員、公義の志 佐々木ゆうじです。本日は現在赤磐市議会で賛否が分かれている“赤磐市役所本庁舎のあり方”についてお話してみたいと思います。

 

(老朽化した本庁舎建物。何らかの対処が必要ですが、その在り方で賛否の論争が起こっています)

 

【はじめに】

 

 現在、令和三年9月定例議会が開かれています。

 今議会の中心的な議論は前年度予算の決算審査となりますが、もうひとつ重要な案件が補正予算内にあります。それは本年3月議会にて議員発議で修正され、否決を受けた市役所本庁舎耐震補強工事に関係する予算の再提案です。

 

 前出予算の否決につきましては、三月議会の折、私も賛成した一人で、市の浸水被害推定の甘さなどから本庁舎耐震改築の方針には懐疑的でしたが、この間、行われた市側の方針説明などを聞いていましたら、随分と改善がなされたようです。

 

 そこで皆さまにも「赤磐市議会内で何が論戦されているのか」を判りやすいように、賛否の整理を行いたいと思います。

 

 すこし長文になりますので頑張ってお目通しくださいませ。

 

 

【費用対効果】

 

 先ず異を唱える議員たちの反対理由ですが「費用対効果」という視点があります。

 この点については私も令和二年(2020年)9月6日のブログに書かせて頂いていますが、新築する方針(60億円の試算)と、市長の進める南海トラフ地震級の巨大地震に襲われても倒壊しないよう現建物に補強を入れ(20億円試算)、その後、メンテナンスを行いながら今後30年くらい使用する方針(30年で33億円の試算)は、新築60億円、改築53億円ということで、総額で比べると約7億円程度の違いしかなく、あまり変わらないのであれば免震構造の本庁舎を新築した方が機能性も増すため、そっちの方が良いのではないかというものがありました。

 

 しかし財源措置という視点で考察すると、新築は完成までに時間を要することから国の補助を使用できず、60億円という建設資金を赤磐市単独で準備しなければならなくなります。

 一方で市側の方針は短期間で建設が完了することから、合併特例債という国の補助を受けることができ、赤磐市の実質負担は8億円程度となり、限りなく少なく済むようです。

 

 そうすると市長の方針に反対する議員達からは、改築と耐震補強に20億円の予算を試算するのであれば、同様の20億円で新築できる建物を計画すれば良いと反論が上がったりしますが、いずれにしても今から設計図を引き、一から建設するとなれば合併特例債の使用期限には間に合わず、この場合の20億円は丸々負担になると思います。

 

 更には、別の反対意見には、現建物を30年ほど延命するためだけに20億円(実際は8億円程度)と33億円のメンテナンス費用を掛けることについて、 『結局は30年後には新築しなければならない。この間の支出と30年後に発生する新築費用とを合わせると、総額が膨れ上がり、かえって将来への負担となるのではないか。これは問題の先送りではないか』 との趣旨の指摘が議会でありましたが、例え新築しても30年という時間は経年劣化を引き起こし、やはり30年後には大規模メンテナンスに予算が必要になるのでしょう。

 

 つまり先にメンテナンス費用が来るか、後でメンテナンス費用が来るかの違いであり、いずれにしても同様の結果を生むことになります。新築すればメンテナンス費用が発生せず総額が安くなるという計算には至らないと思います。

 

 そういう視点で総合的に診ると、合併特例という国の補助が使えるか、使えないかという視点は最も大切な論点になり、赤磐市の財政状況を鑑みると、前者(合併特例債使用)の市長方針の方が効果的だろうと思います。

 

 念のために赤磐市の現在の財政状況を申しますと、現在(令和元年度決算値)の市債発行額は351憶円超となっており、本年度(令和三年度)の当初予算も策定時点で20億円を超えて不足していることから、市の預貯金である財政調整基金を切り崩した上、更に市債を発行して資金調達する現状ですので、来年度以降の財政は更に悪化していくことになると思います。更には新型コロナウィルス対策で国も県も疲弊しており、市が行う下水道工事や道路工事などの公共工事、並びに各種施策などの交付金や補助金なども減額避けらず、といった状態です。

 この様な財政状況ということもあり、私たち住民生活に関係する予算を確保するためには、なるべく支出は少なくしていくという、厳しい財政観念というものが求められています。

 

 

【水害・震災対策 その1】

 

 反対議員たちが唱えている反対理由は「費用対効果」だけではなく、近年頻発する豪雨災害の想定が甘いのではないかといったものもあります。

 令和元年、真備町の浸水被害を受けて、岡山県は県内のハザードマップを再点検しました。その結果、赤磐市本庁舎周辺が浸水被害推定エリアに定められているというということが判り、このようなことから、「そういう浸水被害が想定される場所に本庁舎を置くことは防災拠点の観点としては好ましくないのではないか」「現庁舎を改修・改築するのであれば、浸水被害に負けない設計にするべきではないか」という反対意見が上がりました。

 

 この点は(3月時点で)私もその通りだと思っていましたし、議員全員協議会の場や、本議会(一般質問の機会)などで、防災拠点として不備があるのではないかと市側を質したりも致しました。

 しかし私や他議員らの指摘もあって、市側も、もし浸水しても庁舎電源機能が喪失しないよう電源設備は階上に上げる。であるとか、住民関係を扱うコンピュータなども同様に階上に上げる。又、市の車両に関しては立体駐車所を設けて機能を保全する。であるとか、想定浸水被害に対応できるように対策を練り直し、計画内容の抜本的な見直しを行ったようです。

 

 加えて、もし本庁舎が浸水被害・地震における被害で防災拠点として機能を喪失したとしても、国の定める防災対策基本法に基づき計画設置されている“赤磐市防災計画”では、津崎の消防本部が防災機能を引き継ぎ、住民の安心・安全を守る拠点となることになっていますので、本庁舎がダウンする、イコール、住民の安心・安全が損なわれるといったことにはなりません。

 

 

【水害・震災対策 その2】

 

 現在におきまして反対議員たちが声をあげている反対理由は、地震より豪雨災害の方となっています。

 これは昨今の異常気象を目の当たりにしている住民皆さまも実感が伴う分、説得力を感じられるところであると思いますが、浸水災害には大きく分けて2パターンあり、ひとつは内水被害ということで、激しい雨量に晒され、用水や田畑から水が溢れ、道路冠水範囲が拡がっていくパターンの物。もう一つは河川堤防が決壊したり、越水したりで浸水するといったものである訳ですが、異を唱える議員たちが反対の根拠にしている県のハザードマップを確認したところ、内水被害には触れておらず、河川(砂川)の決壊・越水の被害想定となっていました。

 この点を赤磐市当局に確認したところ、現在、赤磐市では河川管理者である岡山県と度々協議を行い、砂川の河川改修と防災強化に取り組んでいるところですと報告を受けました。

 

 なるほど、つまり砂川の河川改修・強化を進めていけば、本庁舎が浸水被害に遭い、防災拠点の機能を喪失するという可能性はほとんど感じられなくなるものにすることができることになりますし、また前述のとおり、もし浸水被害に遭い本庁舎が機能を喪ったとしても、津崎の消防本部がバックアップ機能を発揮しますので問題は生じないことになります。加えて、浸水被害想定区域に入っている庁舎周辺の小売店・民間企業、生活者の安全・安心も守ることができるようになります。

 

 

【総論】

 

 以上のように市側は反対意見に耳を傾け、改善を重ねて来ており、その対策は講じられているといえます。

 ということになれば最後は財政的な視点が残り、最小の負担で結果を出すための方策が重要な判断基準となりますが、前述の通り、国の予算を使用できる市側の方針(現在の建物を補強し延命化する方針)の方が住民負担は少なく、好ましいということになると思います。

まぁ新しい建物の方が夢はあるのですが…苦笑。

 

 以上の様に賛否を並べてみると、市側の進める案の方が理路整然としており、反対意見より現実的で優れていると思えます。

 前述で触れている通り、市側も3月議会で受けた予算否決の反省を活かして、従来の予定通り“最も少ない予算で現状を最適化”するため、様々に改善して来ています。

 

 このようなことから私は現建物に補強を入れて、同時に近未来の行政を行うべく、庁舎内にIT化を施すとともに、機能的な市役所を作るため増改築を施すといった市の計画の方に利があり、優れていると感じています。

 

公義の志 佐々木ゆうじ