学生時代も社会人時代も、専門は心拍トレーニング。
勉強してきたのは、心臓と肺、いわゆる呼吸循環器ばかりだった。
だから若い頃はトライアスロンにのめり込んだし、正直、骨や筋肉よりもその辺りの知識の方が詳しい。笑
Garmin、Suunto、Polar、COROS…
昔は「ハートレートモニター」と呼ばれていたものも、今ではすっかり「スマートウォッチ」だ。
会社員時代、某北欧メーカーと仕事をしていたことがある。
当時の小生はまだ若く、未熟で、思っていることをメーカーサイドにきちんと伝えることが出来なかった。
ビジネスである以上、最優先されるのは「売ること」「売れること」。
拙い当時の小生の能力や意見など、迷惑以外の何ものでもなかったのだろう。
今更ながら、悔しさと反省が入り交じる。
ただ、無駄ではなかったことも確かにある。
仕事柄、さまざまな痛みや不具合を訴える人たちと向き合う。
その中で「ここで気づけるかどうか」が問われる場面は、当初の予想よりも遥かに多い。
直近でも、
「筋肉痛がひどくて…」
と来院された患者さんが、実際には心筋梗塞の一歩、二歩手前だったケースがあった。
無理を承知で病院にお願いし、CK値を確認。
心電図の低電位が妙に気になる方も、現在二人いる。
幸いにも大きな問題はなかったが、
「注意しなければならないこと」
「こちらから提案すべきこと」
は、確実に存在する。
脇が痛い、背中が痛い。
そう言われた瞬間、まず心疾患が頭に浮かぶのは当然だ。
また、この時期特有の問題として、
早朝の極寒での運動が引き金になる不具合もある。
その正体は「寒冷ストレス」。
肺は、外気と直接触れる唯一の臓器だ。
そこから生じるストレスは意外と多い。
もっとも、人はストレスに順応する。
だから不思議なことに、こうしたトラブルは北国では少ない。
寒さに慣れているからだ。
むしろ関東のような地域特有の問題。
そこに最近は「在宅」というキーワードも重なる。
朝の通勤などで外気に触れる機会が極端に少ない人も増えた。
今のスマートウォッチは、
心拍、体温、呼吸数、さらには「ストレス」まで数値化してくれる。
だが――
それらのデータをどう活かすかは、実はかなり難しい。
そんな相談を受けるたび、
「何事も、経験は無駄にならないものだな」
と実感する。
新しいモデルは次から次へと出てくる。
だからこちらも、日々勉強し続けなければならない。
時計は賢くなった。
だが、それをどう読むかは、今も人間の仕事なのだ。
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