今日もまた、エーテル・タロットの「カードの解説」をやろうと思います。
今回のお題は「水の民・6」です。
水の精霊ウンディーネは、幼き時の姿に戻り、彼女が初めて人間と手を取り合った瞬間が描かれています。
それは、お互いがまだ子供時代の遠い昔のこと……
この「水の民」のカードは、水の精霊ウンディーネと人間とのふれあいの物語です。
このエーテル・タロットは、精霊をコンセプトにしたタロットカード……
62枚のカードによって、デッキが構成されています。
※このカードは正位置・逆位置の区別には対応していません。
はるか昔、遠い過去の思い出……
池の水の中に足を入れて遊ぶ少年と、幼き水の精のウンディーネが、手を取り合って遊んでいます。
その思い出は、
夢なのか現実なのか、今ではそれを確かめることさえもできません。
郷愁をそそる、水の精霊と人間との
このエーテル・タロットの小アルカナは、ウェイト版タロットのそれをモチーフにして生み出された作品ですが、「水の民・6」の元となっているウェイト版タロットの「カップの6」のカードには、エテイヤのエジプシャン・タロットの「聖杯の6(クピーの6)・正位置」の意味である「過去」というキーワードが、色濃く反映されています。
18世紀のパリの占い師・エテイヤは、彼のオリジナルである「エジプシャン・タロット」の1枚1枚のカードの意味に、当時、パリの街で占い師たちがやっていた、ピケ・カード(トランプの2~6の数札を抜いたもの)に当てはめられているカードの占い上の意味を、そのまま取り入れようとしました。
エソテリック・タロットの研究の第一人者であるロナウド・デッカーは、エテイヤがピケ・カードに存在しない「エジプシャン・タロット」の2~6の数札の意味を編み出すにあたって、およそ2~5のカードの正位置の意味のワードに、ピケ・カードの7~10の逆位置の意味を取り入れているのではないか…… と推察しています。
しかしながら、それでも「6」のカードだけが、取り残されてしまいます。
例えば、エテイヤの「エジプシャン・タロット」の「聖杯の6(クピーの6)」には、正位置は「過去」、逆位置は「未来」と意味づけられているのですが、これらの意味の系譜に関しては、それ以上に過去にたどらせることができません。
どうやら「6」に関するカードの意味は全て、エテイヤの創作であると考えるのが、妥当だと思われます。
ウェイト版タロット78枚を描いた女流画家パメラ・コールマン・スミスによる、ウェイト版「カップの6」の絵は次のようなものです。
遠いどこかの異国の田舎で、幼い子供の兄が妹にユリの花を渡しています。
パメラが描いたこの絵のテーマも「過去」というキーワードを元にしています。
伊泉龍一先生が翻訳したマーカス・カッツとタリ・グッドウィン共著の「シークレット・オブ・ザ・タロット」には、この「カップの6」に関して、次のような解説が載っています。
パメラが描いた人物は、このカードで見られるように、その背景との関係における比率に様々な違いがあり、何者なのか――つまり、この場合は単に子供なのか、あるいはプラウニー(注:精霊のこと)なのか?――をときとして判別できないときがある。
(マーカス・カッツ、タリ・グッドウィン共著/伊泉龍一訳「シークレット・オブ・ザ・タロット」より抜粋)
また、この本には「カップの6」のカードとモーリス・メーテルリンクの小説「青い鳥」との関連性、もしくは、イギリスの舞台女優であるエレン・テリーが演じた「ナンス・オールドフィールド」との関連性などが示されています。
ちなみに、ゴールデン・ドーン(黄金の夜明け団)により「カップの6」に対応させた天蠍宮11°~20°の占星術上のデカンは「快楽」であり、トート・タロット「カップの6」のカードのタイトルは「喜び(Pleasure)」というもの……
「カップの6」に関していえば、ウェイト版の意味合いと、ゴールデン・ドーンの系譜を継ぐ意味合いとは、別物になっているようです。
この「水の民・6」は、昔の懐かしい子供の頃の思い出や、今はもう形がなくなってしまったものに対する郷愁、そして、時を超えて伝わってくる変わらぬ愛情や優しさといったものを表しているカードです。
我々が当たり前に感じている、この時間というものも、もしかしたら幻である可能性さえあります。
(2024/2/2ブログ「時の旅人」参照)
「水の民・6」は、精霊たちの愛情と優しさのカード……
幼き日の水の精霊・ウンディーネは、遠い過去の自分を通して、はるかな時の流れを超え、色あせてしまうことのないその愛情と優しさを、我々にそっと運んできてくれます。
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