セミの恐ろしい夢を見てから2日

日本は突然寒くなった

セミは?あいつらは無事か?

なんだかんだで心配している自分

今日は10年ぶりに高校時代のクラスメイトと会う約束をしている

早く準備せねば

しかしセミが心配だ

セミを心配しすぎるあまりTシャツを逆に着て家を出てしまった

香奈恵は高校3年間同じクラスでとても仲が良かった

スタイルが良く外人のような顔立ちの香奈恵は男子からよく告白されていた

サバサバした性格もまた人気の秘訣で、男子が発する下ネタにも臆することなくレスポンスを返してきた

香奈恵と僕は幼なじみ。男女の関係になった事は一度もないし、お互いそういう対象として相手を見たりはしていない

香奈恵は良く年上と付き合っていた

妻子持ちのサラリーマンに指輪を貰ってドン引きしたとか、イケメンのくせにセックスが下手とか

とにかく恋愛経験が豊富な香奈恵

一緒に家に帰る事はめずらしくなかったが、その際は周囲の視線が痛かった

おい!3組の佐々木と付き合ってんのか?と聞いてくるクラスメイト達

優越感なんて少しも無い

確かにまあ、高校生離れした発育のオッパイ、クビれたウエスト、今にもパンツが見えそうなミニスカートから伸びる長い足

そりゃあ注目される

そんな香奈恵と10年ぶりに会うわけだ

おい!

突然後ろから声が聞こえた

振り返ると香奈恵がいた

少しケバくなっていた、というか、やはり歳をとったなぁ、と感じた

しかし相変わらず美しく、いい匂いがした

僕が口を開きかけたその時、香奈恵の頭にセミが止まっている事に気づいた

いつだってセミは僕のプライベートに介入してくる