コンテストシーズンが始まる。春先から調整に入っている選手も多く、僕のような引退した三流ビルダーにもたくさんの質問が来る季節だ。三流ビルダーだったが、理論的裏付けと眼は肥えている。一番質問が多いのは、”脚のカットが出ないのでどうしたらいいでしょ?お尻とハムの間も皮膚が余ってるの”。まず、脚。脚はなんのためにあるか?大ザッバに身体を支え、立たせ、移動するためだけにある。普通の人は走って脚はパンプなどしない。大腿部前面には腰の上の方から、大腿部後面からふくらはぎ、足裏までは腰の下の方から神経が分布して筋肉を支配する。前脚であるはずの腕とは全然複雑さが違う。でも基本構造は同じ。しかも大きい。丁寧に前面のこの部分、内側のこの動きのこの場所、ハムの構造と関節を跨ぐそのメカニズムをよく理解しながら、とにかくマシンやバーベルと抱き合いながら、意識下に置くしかない。そして意識下に置いて、厳しく攻めるしかない。そんな工夫をしないで、いきなりダイエットする、”大雑把に”プレスなどするから疲労感ばかりで、たくさん筋群のある上半身はどんどん絞れて行くのに下半身はぼてっとしたまま。カットとセパレーションを区別するのもありえない。的確に厳しくそのパートを攻めているなら、ポージングを含めマッスルコントロールできているなら、赤ちゃんの時代から付いている本来保護の役目としていざという時の蓄えとして存在する筋群間の脂肪は必ず燃える。女性だから、女性ホルモンがどうのこうの、それは言い訳。まわりにそこまで出せる人がいないから、ま、いいか、と精神的にも自分で壁を作っている。それも言い訳。脂肪は少しでも動きの悪い場所に隠れようとする。だって生体に必須のものだから。だって、ダイエットで脂肪を制限されているからよけい隠れる。強度の高い工夫されたターゲットを絞った”インテリジェント”トレーニングしかない。それができないから、有酸素運動に”逃げ”脂肪を燃やした気になる。あれだけ走り込むマラソン選手の臀部のたるみを見てみたら良い。脂肪は逃げて隠れている。脂肪は言い訳などしない、人が言い訳をするから”仕上がらない”のである。たるみのある身体はそこがしっかりトレーニングできていない、準備期間が足らない”言い訳”なのである。