梅雨入り!
すると勢い山へ行く回数が減りますね。まことにありがたいことです。最近はジムへ行ったり近場の各務原アルプスへ行ったりと、山行は失速しがち。
最近つくづく思うんですけど、時間を大切にせなあかんな、と。〈時は金なり〉という至言が示す通りです。たいていのモノはお金を払えば手に入りますが、時間だけは1億円積んでも1分だって戻ってきません。
こんなエピソードがあります。6/29の土曜日、15:00ごろから友人に渡した新築祝いのお返しをしたいという申し出があり、うなぎをご馳走になるというありがたいイベントがあったのですね(まあその原資はわたしから出ているので、いわば自分のお金でうなぎを食べに行っただけ、ともとれますが……)。
問題は時間帯です。15:00から友人とサウナへ行ってお腹を空かせ、それからうなぎというコンボでした。そうなると土曜日の午前中がまるまる空いてますよね。普段ならこんなモンダラダラすごすに限る。→この手に限る。
なにげなく天気予報を見ると、土曜日だけ晴れのようでした。梅雨時の貴重な晴れ間です。近所でもいいから山へ行くべきなのでは? 思い立ったが吉日、そのまま午前4時台には起き出し、準備をすませ、午前5時30分には各務原アルプスの起点である伊吹の滝に到着していたのでした。
そのまま坂祝駅まで歩き通し、電車で蘇原駅まで戻り、徒歩で伊吹の滝まで戻って車回収。13時30分くらいでした。約束の時間である15時には余裕をもって間に合ったのでした。
なぜこんな離れ業をやってのけたのか? なぜリスクをとらずにボケっと土曜の午前を潰してしまわなかったのか? 不意に悟ったのですよ。わたしの人生はもうそれほど長くないのだと。現在著者は38歳です。寝たきりとかではない健康寿命はどれだけ長くても、せいぜいこれの倍程度でしょう。76歳くらいから加速度的に死への秒読みが始まります。
全盛期に比べればわたしもずいぶん衰えましたが、それでも運動を習慣にしていない同年代に比べれば、はるかに高水準の体力を維持しているという自負はある。しかしそれも徐々に衰えていくでしょう。そうなると一般的な健康寿命とは異なる、〈山屋の健康寿命〉(=健脚ルートを無理なく歩ける体力を維持できる年齢)も考慮せねばならない。
各務原アルプスは全行程19キロメートル、累積標高差1,400メートルというなかなかのハードコースですが、ラップタイムは7時間40分程度でした。決して遅くはないはず。いま当たり前にできているこの程度の山行ですら早晩できなくなる。やれるうちに山へ行っておこう。悟りの内容は大意、以上のように要約できます。
6/29土曜日の日程は最終的に次の通りとなりました。午前5時30分登山開始→13:30終了→15:00からサウナ→17:30からうなぎ→19:30から喫茶店で読書→21:30終了→帰宅後、ポートフォリオチェック。
どうですこの超高密度な1日は! 中性子星かな? 今後は土日休みをこれくらい有意義に使っていきたいものです。
おわり
っておーい! 鈴鹿縦走テント泊2日めの記事は!?
寒いノリツッコミも消化したことですし、本編に参りましょう。
6:10 羽鳥峰峠~6:45 中峠~7:15 根の平峠~7:40 急登エリア~8:00 きのこ岩分岐~8:25 国見岳~8:35 国見峠~8:50 裏道登山口~9:05 御在所岳~9:45 武平峠~9:50 ランチ~10:20 出発~11:00 鎌ヶ岳~11:15 出発~11:35 カズラ谷分岐~12:40 雲母峰~13:30 岳不動~14:10 近鉄湯の山温泉駅
日時 2024年5月5日(日曜日)
天候 快晴
メンバー 強化人間331(単独)
装備 テント泊装備(調理器具、雨具、食料、非常食、水3リットル、寝具、テント)
距離 16キロメートル
推定累積標高差 約1,333メートル
所要時間 8時間(うち昼休憩30分、その他小休止含む)
備考 出口戦略に一工夫
1 有終の美をどう飾るか
縦走において大切なのはいかにカッコよく出口を決めるか? これであります。起点が伊勢治田駅なので、最終的に近鉄湯の山温泉駅に辿り着ければよい。御在所OUTが最右翼ですが、それではちょっと物足りないですよね。そのへんは歩きながら考えましょう。
例によってロクに眠れず、起きたりまどろんだりをくり返したあげくの午前5時すぎ、ついに観念して出発の準備を開始しました。エアマットとシュラフを片付け、アルファ化米をお湯で戻しつつ、テントをパッキング。6:10、出発。2日めもありがたいことに暑熱の様相を呈しています。
時間も早かったためか、低山のくせに雲海っぽいものが。これはラッキーでした。気温も涼しく快適。まだこのときはね。
朝明渓谷界隈の縦走路は歩きやすく、常に東側に開けているので眺望も優れています。これを一気呵成に南下するのはなかなか感慨深い。2日めで食料も減り、装備も軽くなってるしね。
このショットなんかよい感じですよね。高峰感が出てます。暑くなってくる前にどれだけ距離を詰められるかが勝負であります。
6:45、中峠着。どんどん行きましょう。このあたりは細かなアップダウンをくり返す典型的縦走路です。
7:15、根の平峠。メモによれば「さわやかな風」と書いてありました。なのでまあ、そうだったんでしょう。なにぶん2か月も前の山行なので……。
このあたりから――すなわちGW明けくらいからちょくちょく言及している山屋女性との山行が増えていきます。そのへんの思い出が強烈すぎて、単独山行の記憶が霞んでるんですよね。登山は単独でやるものだと思ってたんですけど、実力の拮抗した――というかたぶん相手の方が上――パートナーがいると、ストレスもなくグイグイ歩けて楽しいものです。
さあ始まりました。根の平峠からは怒涛の急登が待っています。疲れ切った2日めの登山者にとって、このエリアはとどめとなること請け合い。滋賀県の登山系ブロガー〈やましじみ〉氏の記事でも、この区間の標高差を友人M氏が宣言しようとしたところ、「言うなー!」と絶叫した、という一幕がありましたっけ。
やましじみさんをご存じない方のために概要だけご説明しておきます。かつて〈週刊やましじみ〉という知る人ぞ知る登山系ブログがあり、それの投稿主が滋賀県在住のやましじみ氏だったのですね。
攻略する山は滋賀県の低山が中心で、ほんのときたま遠征する程度。お世辞にもハイレベルな内容とは言い難く、ご本人の実力もお察しでありました(お前が言うな、お前が!)。とはいえハイレベルな参考記録を見たければ、YAMAPなりヤマレコなりでマウント合戦が繰り広げられているので、そっちで見つければよい。
ではやましじみ氏の功績はなにかというと、どこそこの山にこんな斬新なルートで登った、という自慢大会になりがちな登山ブログ界隈に、類まれな文章力を駆使したエンターテインメント性を取り入れるという、まったく新しい風を吹き入れた点にあります。
誰しも自身を着飾って表現したいもの。失敗談はなるべく載せず、みんなが知っている有名山岳にばかり行くようになってしまう。インスタグラムの山屋連中がその典型でしょう。やましじみ氏はその真逆をいきました。失敗談をふんだんに載せ、山行記録は鈴鹿山脈とかの地味な山ばかり。
凡人の文章力ならすぐに飽きてしまう内容を、これでもかとしょうもないオタクネタを散りばめて読者を飽きさせないよう工夫を凝らす。さすが同志社大学卒は伊達じゃありません(あれ、立命館大学だったかも。言明はされていないのですが、関西の有名私大だったはず)。
ともかく斬新なスタイルを確立し、写真はほとんどないのに文章だけでぐいぐい読者を惹きつけるのには感服しました。2007年に更新が止まってしまい、いまや生死すら不明ではありますが、きっと彼とその仲間たち(友人M氏、深津絵里似のKさん)は凝りもせずに鈴鹿山脈に出没し、「ヒルだー!」と絶叫していることでしょう。→アリだー! byロマンシングサガ2。
なにを隠そう、わたしのブログはやましじみ氏のそれを踏襲しているのであります(踏襲とはパクリの婉曲的語法なのですが)。山の話題はそこそこに、しょうもないネタを散りばめた山行記録――なのか?――といったスタイル。当然オリジナルには遠く及ばないのですが、もし読者のなかにやましじみ氏のHPをご存じの方がいれば、彼の息吹を本アカウントに感じていただければ。そう願って筆をおきたいと思います。
っておーい! テント泊の続きは!?
まさかの寒いノリツッコミ2連荘と相成りました。それでは巻きでいきますよ。
怒涛の登りをこなせば、御在所までは比較的標高差は小さいエリアが続きます。このあたりの美しさは三池岳界隈に匹敵するレベル。斜度も緩く、死ぬほど疲れた登山者(→死ぬほど疲れたエンリケス)のオアシスであります。
8:00、キノコ岩分岐。指導標もぶら下がってます。当然疲れすぎていて見に行く気も起きません。そんな陰茎みたいなもんを見たってしょうがないですからね。
青岳をすぎ、
国見岳の登りに愕然としつつ、
しつっこく残り続ける雲海に助けられながら、
かわいいフデリンドウに励まされ、
行く気もなかったはずの妙な岩を鑑賞しつつ、
8:35、国見岳(1,175メートル)であります。ここまで来れば御在所はもう目と鼻の先です。エスケープするにはさすがに速すぎるけれども、その気になれば山行を終わらせられるというのは心理的な負担感の緩和にはなる。ぐっと気が楽になりました。
心に余裕が生まれてきて、ライト層御用達の石門なんかを見に行ったり。このあたりはホンマに風光明媚ですなあ。
対岸から御在所岳を望みます。快晴も相まってすばらしい眺望。このあたりからちょこちょこ人が増え始め、みなさん暑さでへたばっておられました。
8:35、国見峠。なにか来るたびに指導標が増えていってる気が。ここまでゴージャスだとちょっと引いちゃう。さすがは天下の御在所岳界隈、誰一人迷い人など出すものかという気概を感じます。
国見峠から御在所岳はすぐそこなんですけど、ありがたいことに途中、野良の沢が――野良でない飼い慣らされた沢があるのかという疑問はさておき――いくつか流れております。例によって出発地点の羽鳥峰峠で荷物が重くなるのを厭い、水をフルロードしてこなかったわたし。このへんの沢で再補給を行い、水切れの恐怖から解放されました。
こういう機動的な縦走ってカッコよくないですか? あえて水を満タンにせず、補給できるめどを立てて最小限の水だけを持っていく。ベテラン山屋にしかできない芸当でありましょう。まあこのあたりに沢があるのは、現地に着いてから思い出したんですけどね。
8:50、裏道登山口に乗り越しました。これで取り急ぎ、縦走から解放されるめどが立ちました。お望みとあればこのままエスケープすることも可能です。テクテク車道を歩いたりスキー場のゲレンデを経由して、
9:05、御在所岳(1,212メートル)に到達。時間も早かったのでほとんど人もおらず、閑静なピークでした。お昼ごろこのたりへ行ってごらんなさい、もうフェスですよフェス。山頂にアジカンやバンプでもおるんかよ、というレベル。幸いこの時点で彼らはいなかったらしく、のびのびと休憩できました。
まだ時間的に早いし、余力も十分残っています。ここで下山するのはさすがに山屋としてどうなんだ、と奮起し、とりあえず目標を鎌ヶ岳としました。もし辛ければ武平峠から湯の山温泉へ降りてしまえばよい。このあたりはどこからでもエスケープできるのが便利ですよね。
表道から武平峠を目指します。久しぶりに――本当に久しぶりに――鎌を遠望したけれども、これは鈴鹿のマッターホルンですわ。幾重にも重なった尾根、それらを彩る緑、わたしにとってはこの景色が何よりの宝……。byハンターハンター、一坪の海岸線より改変。
表道はところどころザレて滑りやすいポイントがあります。おまけに岩場っぽいところもあり、距離は短いなりに飽きさせない構成。なにより人が少ないのが最大の利点です。
写真を撮り忘れたのですが、9:40、武平峠着。次から次へとひっきりなしに登山者がやってきては、御在所、鎌、雨乞と思い思いの方向へ散っていきます。鈴鹿山脈最大の要衝は伊達ではありません。
ここでランチを展開するつもりだったのですが、まだいけそうだったのでそのまま鎌ヶ岳の登山道へ突撃します。
9:45、突撃5分後、空腹であっさりダウン。トレイルが膨らんでいるくぼ地にランチを展開し、人びとの邪魔になりながらお昼としました。これにて食料は全部消費され、荷物はさらに軽くなりました。テント泊2日めは多少楽になるというささやかな幸せを嚙みしめつつ、10:20、再出発です。
鎌ヶ岳を真正面から登るなんて、いったい何年ぶりなんでしょうか。たぶん10年以上ご無沙汰してました。さすが人気山岳、それはもうたくさんの人びとで賑わってましたね。
男性的なシンボルがウケているのか、本峰はやたらと若い男子諸君が登ってまして、そのうちの2グループと壮絶なデッドヒートをくり広げました。
グループ1 半グレヤンキー部隊4人
グループ2 高学歴理系マジメ君部隊4人
なんとも対照的なグループですよね。グループ1はペース配分を考えず、一気に駆け上がっては息を切らせて立ち止まるという典型的な素人ムーヴ。駆け上がってるときは大きく引き離されるのですが、連中がスタミナを切らせて息を喘がせているところを颯爽と抜かす。これを2~3度やってるうちに、ついに彼らは落伍していきました。まだまだ若いモンには負けませんよ。
ちなみに半グレヤンキーなどと書きましたが、身なりがそうなだけでちゃんとあいさつもする普通の若者でした。山屋に悪い人間はいないという格言は誤ってはいるけれども、街にたむろするブレイキングダウン参加候補者のような連中はまずいない。当該格言、当たらずも遠からず、といったところでしょうね。
次のグループ2が強敵だった。彼らはさすがお利口さんなだけあって体力配分も抜かりなく、一定のペースでコツコツ登っていく。ちなみになぜグループ2が高学歴理系云々であるとわかったかというと、会話内容からです。どうも医学部志望、もしくは医学部の1~2回生だったと推測できます。
わずかにわたしのペースが上回っていたため、広い場所で入れ替わってもらいました。そこまではよかったのですが、所詮スピードはわずかな差ですからなかなか引き離せない。ほとんど金魚のフンのように医学生たちを従えながら、どうかこうか先陣を切ってゴール! 医学部がなんぼのモンじゃい! →俺の青春もナンボのもんじゃい! by一世風靡セピア。
11:00、鎌ヶ岳(1,161メートル)登頂です。この山もたぶん7~8年ぶりくらい。たくさんの人で賑わっておりました。グループ1、グループ2の若者たちも順次やってきて、思い思いに景色を楽しんでました。若いってすばらしい。
鎌尾根方面。登行意欲をそそるゴツゴツした尾根が特徴的ですね。もう10年以上は歩いてません。
雨乞岳がドドンと。雨乞って登るとしょっぱい山なんですけど、見る分にはなかなかよい塩梅です。
つい2時間前ほど前にいた御在所岳。これだけの距離を武平峠を挟んで、1時間台で移動できてしまうのですから、山岳のような不整地において最強の移動手段は間違いなく、徒歩でありましょう。
鎌ヶ岳でのんびり滞在しながら、どうやってエスケープするか非常に悩みました。最終候補は
ルート1 鎌尾根→イワクラ尾根→入道ヶ岳→椿大社→バス移動→近鉄四日市駅
ルート2 岳峠→雲母峰→岳不動→近鉄湯の山温泉駅→近鉄四日市駅
歩きたいのは無論ルート1です。魅力あふれる鎌尾根を経由し、まだ1回しか登っていない入道ヶ岳を経由して椿大社でフィニッシュ。こちらの弱点は行程があまりにも長いこと。
ルート2は地味ではあるものの、1よりもはるかに現実的。鎌ヶ岳から馬の背尾根を経由して湯の山温泉へ降りてもよいんですけど、それでは短すぎる。ウジウジ悩んだ末、ルート2としました。これなら楽勝でしょう。時間が余りすぎて物足りないんじゃないかな? ※このあとたっぷり雲母峰の洗礼を浴びます。11:15、出発。
雲母峰までは分岐が錯綜してます。道を間違えると見当違いの方へ降りてしまうので、指導標と地図を参照して慎重に。
ひたすら雲母峰方面を目指します。鎌ヶ岳ルートと異なり、こちらはGWなのにほとんど人が歩いていませんでした。トレイル自体はきちんと整備されてるのにねえ。わたしとしては人の少なさは狙い通りで、まことに快適でした。
陽がさんさんと降り注ぐなか、静かな縦走路を歩いていきます。すれ違う登山者は数名程度、人気エリアとは思えぬ閑静さですね。
あまり余裕がなかったのか、雲母峰までほとんど写真がありません。途中に白ハゲと呼ばれている難所があるのですが、ここは非常に難渋しました。勾配のキツイザレ場をフィックスロープを頼りに降りていかねばなりません。さらに白ハゲを抜けても垂直に近い崖の下降がある。久しぶりのクライミングで肝を冷やしました。
白ハゲをクリアしたらもう終わったようなものだ。そう思っていたのも束の間、雲母峰にちっとも着かない。途中巻き道とピーク経由の2分岐があったので迷わず巻き道を選んだのですが、道が崩壊していて非常に苦戦しました。
そこが終わってもまだなお雲母峰に着かず、ほとほと嫌になってきます。ドラクエ2のロンダルキア名物、無限回廊を歩かされている気分であります。とはいえ明けない夜がないのと同様、終わらない登山もありません。ついに、
12:40、雲母峰(888メートル)着。もう放心状態。ザックをおろしてぐったりと座り込みます。メモにも「この区間死ぬほど長い」と書いてありました。この時点でほぼ全精力を使い果たしており、下山に不安が残ります。まして鎌尾根を経由して入道ヶ岳になんて行ってたら、途中で力尽きてたのでは?
さてワタクシ、過去に雲母峰から岳不動へ下る際、道を見つけられなくて意図せずバリエーションの尾根を下り、命からがら生還したという苦い思い出があります。もう10年以上も前のことです。そのときの恐怖感が残っていて、果たして道を見つけられるかどうか不安に駆られながら下山開始。
あっさり見つかりました。というか、どうしたらこの道をロストしてわけのわからんバリエーション尾根になんか入るのか、理解に苦しみます。言い換えれば当時と比べて少なくとも、ルートファインディング能力が多少は上がったということでしょう。
とはいえこの道、深い杉林に九十九折りにつけられているため、地形に沿ってはいません。沢や尾根に沿ってつけられていない道ってロストしやすくないですか? 本道も例外ではなく、ところどころ首をかしげるか所あり。初見の際には意識を集中してください。
さらにザクザク下っていくと、途中でいったん林道に合流する場所もあります。随時指導標が出ているので、それに従ってください。ただ1か所、巻き気味に下っていくところで大きく登山道が崩壊している地点がありました。山歩きに慣れていないと苦戦するかもしれません。雲母峰はこのルートからあまり登られていないようです。なんといってもヤマヒルがね……。
13:30、ついに岳不動まで下りてきました。心身ともに疲れ切っており、いまにも身体が空中分解しそうな様子。湧き水から大量に取水し、飲料に適さないだのなんだの書いてあるのもお構いなしにがぶ飲みしてやりました。こちとら野良の沢から汲んだ水を煮沸なしで飲んどるような野生児やぞ、湧き水がナンボのもんじゃい! →俺の青春もナンボのもんじゃい! by一世風靡セピア(またか)。
さてここからひたすら車道を歩いて近鉄湯の山温泉駅へと至るのですが、携帯の電池が5パーセントくらいにまで減っており、おまけにモバイルバッテリーもろくすっぽ充電してなかったせいで残量ゼロ。YAMAPの記録をとるためだけに稼働させてるような状態でして、以後写真はゼロです。湯の山温泉駅もよい雰囲気だったんですけど結局撮ることあたわず。
14:10、本縦走のゴールである近鉄湯の山温泉駅に到着。もう一歩も歩けません。その場にくずおれ、青息吐息で切符を購入、読書しながら電車を待つインテリを演じるも、実態は早く休みたい、おいしいものを食べたい、ベッドで寝たい、といった薄汚い欲求が脳内を駆け巡っておりました。メモには「死ぬほど疲れた」とあり、過酷さがうかがわれます。