広島県警は10日、広島市の土砂災害で9日に見つかった遺体の身元を、安佐南区八木の新聞配達員、西田末男さん(63)と確認したと明らかにした。災害発生から3週間がたち、死者は73人、行方不明者は大屋弘子さん(67)1人となった。避難者は約100人。
警察や消防、自衛隊、海上保安庁はこの日、大屋さんの自宅があった八木地区や市内を流れる太田川を約3千人の態勢で一斉捜索。土砂などで用水路や河川に流された可能性を想定して捜索範囲を拡大し、太田川の河口部に海保の巡視艇を出した。
県警によると、西田さんは、自宅から200メートル以上離れた県道とJR可部線の下を流れる用水路で見つかった。災害発生時に西田さんが乗っていたバイクが近くで見つかっていたほか、運転免許証を持っており、DNA型鑑定の結果などを合わせ本人と断定した。