【イラク情勢】オバマ米大統領、アバディ新首相候補を歓迎 挙国一致内閣の速やかな発足求める | 毎日のニュース

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 【ワシントン=加納宏幸】オバマ米大統領は11日、イラク新首相候補にマリキ首相に反対するイスラム教シーア派連合が推すアバディ第1副議長が指名されたことについて、「イラク憲法の下、異なる社会集団を統合した新政府の形成に向けた重要な一歩だ」と歓迎し、挙国一致内閣の早期発足を促した。滞在先の米東部マサチューセッツ州の保養地マーサズ・ビンヤード島で声明を読み上げた。

 オバマ氏は同日、アバディ氏に電話で祝意を伝え、「全てのイラク人を包括し代表する新内閣」を速やかに発足させるよう求めた。これに対し、アバディ氏は膠着(こうちゃく)状態にあったイラクの政治状況を打開する必要性を強調し、スンニ派過激組織「イスラム国」に対抗するため米政府と協力していく考えを示した。

 イラクでは、首相候補に指名されなかったマリキ氏が「憲法違反だ」として抵抗を続けているが、オバマ氏は声明で「全ての政治指導者に平和的な取り組みを求める」と牽制(けんせい)した。その上で、イスラム国に対抗するための軍事支援やクルド人の宗教少数派ヤジド派への人道支援が新政府樹立により容易になると述べた。

 一方、米中央軍は11日、イラクのイスラム国に対する空爆を続行した。空爆は8日から4日連続となった。11日は戦闘機で4回の攻撃を行い、ヤジド派が山頂に追い詰められている北部シンジャール山やシンジャール市にイスラム国が設けた検問所4カ所などを破壊した。全機が無事に帰還した。