台風8号は10日午前に鹿児島県へ上陸して九州を横断した後、同日午後に和歌山県南部に再上陸した。11日は東海から関東、東北の太平洋側を東へ進み、午後に温帯低気圧に変わる見通し。11日には首都圏に上陸する可能性もある。
台風は既に風速25メートル以上の暴風域はなくなり、勢力も弱まっているが、離島を除く東京都内で11日に最大で風速15メートル程度の強い風が吹くとみられ、気象庁は警戒を呼び掛けている。
愛媛県西予市では10日、男性(77)が水田の水路で倒れて死亡しているのが見つかった。7日以降、台風の影響とみられる死者は、9日に長野県南木曽(なぎそ)町で土石流に巻き込まれた中1男子(12)ら計3人で、負傷者も少なくとも66人に上った。
10日の各地の雨量は、高知県宿毛(すくも)市が1時間に71・0ミリで7月として観測史上最多となったほか、徳島県美波町で59・5ミリ、岐阜県本巣市で53・0ミリを記録。40ミリ台の激しい雨が降った地点も多かった。
総務省消防庁によると、6日以降に全半壊や浸水など被害を受けた住宅や建物は15県の約640棟。避難勧告の対象は既に解除済みも含め、9県の約48万4千世帯、約113万5千人に上った。河川氾濫や道路冠水などもあった。
台風8号以前で直近の台風の上陸は、豪雨による被害をもたらした昨年9月の台風18号。この際、気象庁は初めて特別警報を発表した。7月では平成23年の台風6号以来となった。