【書評】『メッシと滅私 「個」か「組織」か?』吉崎エイジーニョ著 | 毎日のニュース

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 メッシと滅私。「じつは本書で言いたいことを的確に表現している」と、この「しょうもないダジャレ」が書名に採用された。世界最高峰のサッカー選手の名は付いているが、いわゆる「メッシ本」ではない。自身もドイツでプレーして深刻なカルチャーギャップを体験した著者が、宮本恒靖や本田圭佑、長友佑都らの「海外組」選手に取材し、彼らの証言をもとに選手のメンタリティーを形成する文化的背景を考察、「比較文化論」を展開している。いまブラジルのスタジアムで繰り広げられているのは「個か組織か」をめぐる「文明の衝突」でもあるのだ。(集英社新書・本体700円+税)