認知症や介護のことを知りたくて、ヘルパー2級取得のために学校に通った。家内は先に資格を取っていて、先輩・後輩の間柄がちょっと微妙ではあったが…。
通信制のため、学科は自宅学習。実技講習に週2回通い、3カ月間での取得が目標だ。自宅学習は「心強い」先輩のおかげで良い点数で終了。実技講習なんて、運転免許を取りに自動車学校へ通った以来のことで、心なしかウキウキしながら上履きやエプロンを持って出掛けた。
教室に行くと、さまざまな世代、それぞれの事情の人がいた。就職目的の若者、介護が必要だったお身内を亡くされ、その必要性を感じたご婦人。奥さまの介護が必要になった男性もいた。ここでも「お父さんはお元気ですか?」と聞かれたが、いざ授業が始まると、個人の事情など関係なく、ただの自分として過ごせたのが楽しかった。
まず最初はベッドメーキング。シーツをホテルのベッドのように敷く。効率よく敷くための「シーツの畳み方」もあり、結構うまくなった。ホテルマン役がくれば役立つと思ったが、なかなかそういう機会に恵まれない。
食事や入浴介助、車椅子の使い方も習った。ベッドから車椅子への移乗では、力任せでやってしまい、背の高い僕は腰を痛めそうになった。先生は小柄な方だったが、てこの原理などを応用して難なくやってのける。何にでも理に裏打ちされた技があるのだと感心した。