【書評】『中野京子が語る 橋をめぐる物語』中野京子著 | 毎日のニュース

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 「怖い絵」シリーズで人気の著者が書いた橋にまつわる話。新聞連載しているエッセーをまとめた。「大きな歩道橋を、高らかに笑いながら渡ってゆく」。著者は若い頃に見たそんな夢から、橋への関心を持ち続けたという。

 犬が欄干を飛び越えて命を落とすスコットランドの“自殺橋”。ゴーゴリの小説にも登場し、幽霊が出るというサンクトペテルブルクの「カリンキン橋」。印象派の画家が描いたパリ・セーヌ川に架かる「ポン・ヌフ」。このほか映画に登場する橋など30話を収録。異なる世界を結ぶ橋からは、さまざまなドラマが誕生する。(河出書房新社・本体1600円+税)