【主張】ストーカー殺人 被害者守る対策を尽くせ | 毎日のニュース

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 ストーカーによる凶悪事件が後を絶たない。今月初めには大阪市で38歳の女性が刺殺される痛ましい事件が起きた。

 警察は対策を進めているが増える相談に対応しきれていない。罰則強化を含めて犯罪を抑止し、被害者を守るさらなる対策が急務だ。

 大阪市の事件で2日、殺人容疑で逮捕された57歳の男は、女性が勤めるスナックの客だった。警察はストーカー被害の相談を受け、文書による警告などを行い、危険度の高いケースとみて被害女性に刑事告訴や自宅以外への避難を勧めていた。

 ただ女性は「避難しようにも家族がいる」などとし、告訴や避難はなされなかったという。

 警察の対応は一概に責められない。ただ被害者を説得し、脅迫事件として容疑者を逮捕するなど、もっと踏み込んだ対応が必要だったとの指摘もある。検証し、教訓としなくてはならない。

 埼玉県桶川市で女子大生が殺された事件をきっかけに平成12年にストーカー規制法ができた。その後も「相談しても動いてくれない」などの批判や、警察間の連携の悪さが問題となり、昨年10月に警察の迅速で積極的な対応を促す改正法が施行された。警察の意識も変わり、相談と捜査を一元化するストーカー対策室を設けるなど取り組みを強めている。