今年3月、オープン戦の解説をしたとき、少し形を崩された打ち方をしたロッテの選手の打球が本塁打になった。「また、飛ぶようになっている」と感じたが、案の定、統一球は規定よりも飛びやすくなっていた。すでに適合球への切り替えは済んだが、なぜ、今季も問題が発生したのか理解できない。今回はメーカー側の管理不足だったが、日本野球機構(NPB)も含めて危機管理のなさを感じた。
打者はバットに当たった瞬間、反発力の違いを感じることができる。自分の場合は、飛ぶ球は軽く感じ、飛ばない球は重く感じた。現役時代は、球団によって使用するメーカーが違い、飛ぶ飛ばないの差があった。
入団時、ロッテが使用する球は飛ばなかった。逆にロッテ以外の球場に行ったときは飛んでいると感じることもあった。その後、ロッテはシーズン途中でメーカーを切り替えて、2種類の球を使っていたこともある。
2011年の統一球導入の前まで、球は年々、飛ぶようになっていると感じていた。1992年に本拠地が川崎球場から千葉マリン(現・QVCマリン)に移った。当時、フリー打撃で外野席の中段より上に飛ばすのは、よほどパワーのある選手だけだった。しかし、年数がたつにつれ、さほどパワーのない選手も中段より上に飛ばすようになった。