民進党主席に蔡氏有力 台湾 現職不出馬で一本化 | 毎日のニュース

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 【台北=吉村剛史】台湾の最大野党、民主進歩党の蘇貞昌主席(党首)と謝長廷元主席は14日、5月25日に予定されている同党主席選への不出馬を表明した。これにより、主席候補は蔡英文前主席(57)で事実上一本化された。主席の任期は2年で、与党、中国国民党からの政権奪還をめざす2016年次期総統選の民進党候補者として蔡氏が浮上した形となった。

 この日、主席選の立候補受け付けが始まったのに合わせ、蘇、謝両氏が党内の「分裂を避ける」などとして不出馬を表明した。

 蘇氏は08年には謝氏、12年には蔡氏とそれぞれ総統候補を争い、特に謝氏とは強く反目してきた。こうした経緯から、水面下で調整が行われたとみられる。

 蔡氏は2人の不出馬表明を「台湾がさまざまな重大な試練に直面する中、団結と協力は全ての民進党員の責任だ」と評価し、「党改革をわれわれが受け継ぐ」との声明を発表した。

 蔡氏は12年の総統選で格差是正などを訴えたが、中国が民進党の独立志向を警戒する中、具体的な対中姿勢を打ち出せなかった。財界の支援が得られずに、再選を目指した馬英九総統に敗れて主席を辞任した。

 台湾では11月29日に統一地方選が予定される。中国とのサービス貿易協定に反発した学生らの立法院(国会に相当)議場占拠などで馬政権の支持率は10%前後(民放世論調査)に低迷しており、蔡氏は統一地方選での民進党への追い風につなげ、次期総統選で政権奪還を目指すとみられる。