【東日本大震災3年】東北がぜんたい幸福になる。それが国柄だから | 毎日のニュース

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 手を伸ばせば、北極星や北斗七星に手が届きそうな気がする。まさに「星降る夜」だ。東日本大震災から3年。この間も星たちは、変わることなく無数の光を届けていたことだろう。

 東京電力福島第1原子力発電所から北へ約18キロ、旧警戒区域・福島県南相馬市小高区。「今年」を迎えたころ、懐かしい表情が戻ってきた。除夜の鐘が響き、中心部の寺社に参拝者が次々と訪れる。「久しぶり」の声が交わされる。年末年始にかけて震災後初の特例宿泊が認められたのだ。

 3年ぶりにわが家で夜を明かした人は約530人。が、震災前の人口の25分の1ほどである。相馬小高神社に参拝した福山晴子さん(59)は「『必ず帰れるように』とお祈りしました」。一方、栃木県で再就職した男性(48)は「もう帰りたくても帰れない。ただ、この子には、故郷・小高を伝えていきたい」と話し、小学生の長男を見つめた。

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 太平洋沿いに小高から浪江、双葉、大熊、富岡、楢葉の各町を走る国道6号。その沿線にはいまも震災直後にタイムスリップしたかのような光景が点在する。それは、なお特例宿泊が認められていない富岡町で、より鮮明となる。