【ソチ=田中充】2度目の五輪はほろ苦いスタートとなった。
団体戦女子フリーの鈴木。現地入りしてから状態が上がっていなかったジャンプに苦しんだ。
着氷が安定せず、最初の3連続ジャンプで3つめの2回転が回転不足を取られると、続く連続ジャンプは後ろにつけるはずの3回転が2回転に。その後も回転不足や踏み切り違反の判定が相次ぎ、完璧なジャンプは7種類の構成のうち1本だけにとどまった。
112.33点で5人中4位。アイスダンスを残してメダル獲得が絶望的となり、チーム最年長の主将は「チームの力になれる演技ができなかった」と元気なく話した。
個人種目に体力を残すため、鈴木はフリーのみの出場。「いきなりフリーから大きな試合で滑るという経験がほとんどなかく、コンディションの合わせ方が難しかった」と団体戦ならではの調整の難しさを実感した。
一方で、「応援も含めて楽しめた。自分にとっては、すべてが五輪」とリンクサイドの応援ブースからチーム一丸で出場選手に声援を送る新種目の魅力も肌で感じた。
日本代表が練習拠点を置くアルメニアで再調整し、19日からの個人種目に臨む。「この雰囲気の中で滑ったことをプラスにとらえて、次は最初から思い切って滑りたい」。集大成の五輪の“最終章”へ、悔いのない演技を誓った。