【マンスリー将棋】女性初のプロ誕生へ妙手は | 毎日のニュース

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 第54回奨励会三段リーグは13回戦終了時点で、勝ち越しがなくなった2人が今回限りで退会する。26歳までに四段にならなければ退会という年齢制限によるものだ。三段リーグは4~9月、10~3月の半年ごとに18戦行われ、約40人中、成績上位の2人だけがプロ四段になれる。その目安は13~14勝。

 4月開幕の第55回三段リーグに女性として初めて里見香奈さん(21)が参戦する。女流トップだが3月には22歳になり年齢制限まで4年。この難関を突破して女性初のプロ棋士になれるか。

 「女流棋戦・タイトル戦を戦いながら、休むと負けになるリーグもやらなくてはならないから大変。ここは実績も踏まえて特例として、たとえば10勝以上(を2回)ならフリークラス棋士になれる選択肢を用意してはどうか」という意見が、複数の棋士から出ている。

 先の新人王戦では三段が優勝し、“後付け”で「優勝したら三段リーグの次点1回分」というご褒美規定を作った日本将棋連盟。囲碁界では、日本棋院が年間1人の女流棋士特別採用を行っている。お隣にせっかくいいお手本があるのだから参考にして特例規定を作ってもいいのではないだろうか。先月、女性として2人目の初段になった西山朋佳さん(18)や、前女流王座の加藤桃子さん(18)=1級=ら里見さんに続く女性奨励会員の励みにもなるだろう。

 ただ、里見さんは「あくまでも男性と同じ2位以内通過」を目指している。(藤田昌俊)