【明日へのフォーカス】「警察官不在の世界」を回避せよ | 毎日のニュース

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 2013年は、日米それぞれに「政治の力」を実感させる一年だった。日本では経済、外交、安全保障の復活と再生が光る。アベノミクスの「三本の矢」を通じた株価の上昇と円安の進行で経済ムードが一変した。外交・安保でも、安倍晋三首相が訪米と日米首脳会談(2月)で「日米同盟の信頼と強い絆は完全に復活した」と内外に宣言し、日本の安保環境を改善させる重要なスタート台となった。

 それだけではない。この1年間に懸案の日本版国家安全保障会議(NSC)や特定秘密保護法を成立させ、年末には米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の辺野古移設へ向けた最大のハードルを越えた。在日米軍再編という17年越しの重苦しい宿題の解決へ大きく踏み出した。

 新たな「防衛計画の大綱」と「中期防衛力整備計画」(中期防)とともに、外交・安保戦略の包括的指針となる「国家安全保障戦略」が初めて策定された。長らく「国家戦略なき外交」とも呼ばれてきた日本の外交政策史上、極めて画期的な展開といえる。

 3年余の民主党政権下で日米同盟の信頼性を喪失し、中国やロシア、北朝鮮、韓国などの周辺諸国につけ込まれる外交の空白を生んできたことを考えれば、わずか1年でこれだけ多くの成果が達成されたのは「奇跡的」といってもいい。