【記者ノート】4月29日 男子100、桐生10秒01 | 毎日のニュース

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 ■「9秒台 夢から目標に」

 10月に閉幕した東京国体のミックスゾーンで桐生祥秀はイスに座っていた。レース後の疲れを考慮して日本陸連関係者が差し出したように記憶している。

 珍しく報道陣に頭の上から囲まれる格好になっての問答。4月29日の織田記念100メートルで10秒01をマークした後のことを聞かれた。日本歴代2位のタイムを「重荷に感じなかったか」と。

 「シーズン前半は(記録を)越えないといけないという気持ちがあった」。答えを聞いて少し驚き、妙に納得した。丁寧で前向きなコメントが多かった桐生だが、まだ高校3年生。やはり「日本人初の9秒台」の期待にせかされていた面はあったのだ。

 自己記録を一気に0秒18も縮めた織田記念の後、出場するレースは大きな注目を集め続けた。「とりあえず10秒1台を出さなくては」と臨み、ゴールデングランプリ東京10秒40(向かい風1・2メートル)▽日本選手権決勝10秒25(追い風0・7メートル)▽ダイヤモンドリーグ予選10秒55(向かい風0・4メートル)▽高校総体決勝10秒19(追い風0・1メートル)▽世界選手権予選10秒31(向かい風0・4メートル)▽国体決勝10秒22(追い風0・1メートル)-。急遽(きゆうきよ)、日程に加わった国際大会に高校総体の予選なども重なり、「どの大会に合わせていいか分からなかった」という。