【徳洲会事件】17、21年衆院選前にも 大半が報告書記載なし | 毎日のニュース

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 昨年12月の衆院選直前、複数の衆院議員側に100万円単位の陣中見舞金を提供していたことが明らかになった徳洲会グループ。平成17年と21年の衆院選直前にも、グループ幹部らが医療法人徳洲会前理事長の徳田虎雄・元衆院議員(75)の指示を受け、複数の衆院議員側に100万円程度の現金を手渡していたことが29日、関係者への取材で分かった。大半は選挙運動費用や政治資金として収支報告書に記載されない裏の資金提供だったとみられる。

 「金を渡す相手の名前はすべて理事長から直接指示された」。ある地方病院幹部はこう証言する。

 17年の衆院選時は、虎雄氏が地方病院の幹部らを呼び出し、病院の地元や近隣選出の衆院議員の名前を挙げ、「100万円ずつ渡してこい」などと指示したという。

 「私は17年の衆院選の際、地元の民主党議員4人に金を渡すよう理事長から指示された。うち1人は面会できなかったため見送り、1人は選挙区内のホテルの喫茶店で本人と会い、『徳田からです』と言って封筒に入れた現金を手渡した。他の2人には議員の地元事務所を訪ねて本人や秘書に手渡した」

 金は病院から仮払金として引き出し、後でグループ本部の経理担当者から送金を受け、仮払金を精算したという。

 この幹部は21年の衆院選時にも、前回渡した3人のうち1人の自宅を訪ね、議員本人に100万円の現金を手渡したとしている。

 グループ本部の元幹部は取材に、「21年の衆院選前、理事長の指示を受けて、6、7人の衆院議員の事務所に現金を配って歩いた。金額は1人100万円だったと記憶している」と証言している。