【メジャースカウトの春夏秋冬】24勝1S、さえ渡る田中の高速スプリットは海を越えても通用する | 毎日のニュース

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 堂々の胴上げ投手だった。これまで稲尾和久氏が持っていたシーズン連勝「20」を56年ぶりに更新するなど、歴史的記録を次々に打ち立てた楽天の田中将大(まさひろ)投手(24)は、チームの初優勝に大きく貢献した。

 「ウイニングショットがあるか否か」。私がスカウトになったとき、先輩から投手を評価する物差しの一つとして教えられてきたことの一つだ。投手が打者を抑える絶対的な武器のことだ。田中投手には、メジャーでも十分に通用するウイニングショットが2つもある。

 1つは高校時代から操っていたスライダーだ。

 北海道の駒大苫小牧高時代から、彼のスライダーは鋭く曲がり、しかも球速が130キロ超をマークした。高校3年だった2006年、「夏の甲子園」では斎藤佑樹投手(日本ハム)を擁する早実高に決勝再試合の末に敗れたが、田中投手の「高速スライダー」はすでにメジャー級とさえ言えた。