【尖閣国有化1年】「本当に日本の海なのか」 周辺海域、台湾漁船や中国公船入り乱れ | 毎日のニュース

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 政府の尖閣諸島(沖縄県石垣市)国有化から11日で1年。好漁場とされる周辺海域には中国公船の航行が常態化し、一部の漁船を執拗(しつよう)に追尾する様子も確認されている。尖閣問題に絡んで台湾漁船の尖閣周辺での操業も認められた。中国公船と台湾漁船が入り乱れるなか、日本漁船には出漁を控える動きも。漁師らからは「本当に日本の海なのか」との嘆きが漏れる。

 尖閣周辺の海域は、クロマグロの好漁場として知られている。4~6月ごろにかけては、はえ縄漁船でにぎわう。だが、今年はこの海域への出漁を控える動きが日本側に見られた。

 「大型の中国公船が近づくと、魚が逃げる。漁どころではない」。石垣の漁船「高洲丸」の船長、高江洲正一さん(46)は訴える。

 高江洲さんは、地元議員らの視察団を乗せ8月初旬に尖閣周辺を訪れた際、丸1日、中国公船に追いかけられた。「静かな海に戻してほしい」と訴える。

 出漁を控える動きは拡大する。その契機の一つとされるのが、日台の漁業取り決め締結だ。日台がお互いを取り締まらない「法令適用除外水域」や法令適用も操業は尊重する「特別協力水域」を設け、日本の排他的経済水域(EEZ)内での台湾漁船の操業が今年5月から可能になった。

台湾も中国と同調する動きを見せたため…