先日、椎茸原木の立ち木には鹿による食害はないと書きました。
しかし、椎茸栽培をする上でいろいろな被害を受けています。
1.しいたけの食害
椎茸は食物繊維の塊みたいなものです。従って、木の芽や皮を食べる鹿の餌になります。
また、椎茸が秋から春の山に食べ物の少ない時期に発生するため被害を受けやすいのです。
鹿による被害が多い地区では椎茸作りを断念する人も少なくありません。
私のほだ場にも毎晩のように現れますが、周囲に鹿除けネットを張ったり、いろいろな対策をしてるのでしているので被害はありません。
後日、猿の被害と対策状況で取り上げます。
2.椎茸原木の新芽の食害
椎茸の原木は伐採した次の春に新芽を出し、13~15年経つとまた伐採できるくらいに生長してくれます。
ところが、鹿は出たばかりの新芽を食い荒らすのです。
5年くらい前、静岡県の被害の写真を見ました。新芽がすくすくと育っているはずの原木林が草原になってました。
まだ心配ないと思っていたのですが、最近はかなりの食害が目に付きます。
本来なら写真のように新芽がまっすぐに伸び上がり、夏には人の胸くらいまで伸びます。
被害にあったクヌギの芽です。新芽の先端が食べられています。生長が著しく遅れています。
被害にあったナラの木です。鹿はクヌギよりナラの木を好むらしく、株から新芽が伸びるたびに食害を受けるため、ほとんど伸長していません。
4年前に九州自動車道の加久藤トンネルの上で伐採した時は写真の状態で食害が繰り返されたためほとんどのナラの木が枯死してしまいました。もちろんクヌギも食害を受け、まさに草原に近い状態でした。
スギやヒノキには食害を防ぐためのネットに対し補助がありますが、椎茸原木にはなく、個人だけでは手の施しようがないのが現状です。
クヌギの場合人の背丈くらい伸びると、少々被害を受けても育ちます。
せいだせ、せいだせ、クヌギの木
と願うばかりです。