素晴らしい育成チーム。 | 徒然に。

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 今日はちょっとしたきっかけがあり「FC.LAVIDA」について、久しぶりに思い出しました。

 埼玉県にあるジュニアユース年代のチームで、J下部組織とも互角に渡り合うどころか、J下部組織を凌駕する成績を近年残しています。

 そして私は、育成年代では、このFC.LAVIDAのサッカーが、私が見た中では日本で最も好きです。(好き嫌いであり、良い悪いではありません)

 FC.LAVIDAの監督は、東京ヴェルディからコーチのキャリアをスタートしたようです。

 なにかヴェルディのような、ドリブルとワンツーがプレーに息づいているように思います。

 監督さんのインタビューが↓にあります。

 

 

ー指導において一番大切にされていることを教えてください。

村松 『仕掛けること』ですね。うちのチームでは、ボールを大事にすること以上に、ゴールを奪うことに重きを置いているので、試合ではボールを受ける際も常に相手を見て、次のプレーをイメージしながら『ゴール』を意識してポジションを取ることを強く求めています。
それもあって、うちの試合はバックパスが圧倒的に少ない。選手にも、ボールを受けた時にバックパスを選択してしまうってことは次のプレーを考えていないということだし、バックパスをしなければいけない状況に陥っていること自体が、いいポジションではないと伝えています。

 そして最近、U15関東リーグにて、技術の本家本元の東京ヴェルディJYとの試合のハイライトが、youtube動画に挙がっていたので見てみました。

 

 

 見ていて正直、FC.LAVIDAは本家本元の東京ヴェルディJYを技術でも追い越してしまったのではないかと思いました。

 いくら評判がいいといっても、私の推測では埼玉県でサッカーが一番うまい子は、浦和レッズJYとか大宮アルディージャJYに入ると思います。

 埼玉県内で二番手の子を集めて、J下部組織を凌駕するというのは、その指導に要因があるのだと考えています。

 ↓の練習風景を見ますと、やはりドリブルで仕掛けることからそのまま連続的にパスをしています。

 そして1人1人がドリブルする時間が長いです。

 

 

 いつも強調させていただいていますが、あくまで私がこう思うということであり、真理はわからないと思います。

 ただ、私は日本サッカーにおける「ボールを蹴りやすいところにボールを止める」とは違った考えを持っています。

 私の考えでは「ドリブルもショートパスも(ロングキックのときは、ちょっと違ってきます)できるような止め方で、トラップはドリブルの第一歩目である」ということです。

 メッシやネイマールの止め方は、その最たるものだと思います。

 そしてFC.LAVIDAの選手たちも、そういう止め方をしているように私には思います。

 具体的な技術練習はしていないかもしれませんが、監督が「仕掛けることを最も大事にしている」と語っているからには、やはりトラップがドリブルの第一歩という意識なのだと思っています。

 

 私は「ドリブル重視」的なことを書くことによって、私がたまたまちょっと読んだだけでも、おそらく私のブログに対すると思われるそれなりのアンチブログを読みました。

 日本サッカー界では、ドリブル重視というのはサッカーの本質をわかっていない、ということになるようです。

 ですが私は今、実は日本のジュニアユース界でひそかに革命が起きていると思っています。

 それがFC.LAVIDAだと思っています。

 今年のU15関東リーグ1部のこれまでの戦績を見ていただきたいと思います。

 

 

 FC.LAVIDAは全勝で首位を走っています。

 これは革命的だと思うのです。

 おそらくJ下部組織に入れなかった子が集まったクラブが、並み居るJ下部組織を抑えて関東で1位を走っています。

 これは明らかに「仕掛けること」が、選手たちをうまくするという証拠でしょう。

 

 ただ実際は、ちょっとサッカーをやったり、観戦すればわかることなのです。

 ドリブルでゴリゴリ来る選手は、本当に嫌です。

 その選手にかなりの技術があれば、守る方は毎回ストレスになります。

 そしてそういった選手が複数人いたら、もう守る方からしたら苦痛でしかないのです。

 そもそもパスサッカーの史上最高だと思われるバルサだって、メッシはもちろんですが、イニエスタだってドリブルの達人だったのです。

 ドリブルがないパスサッカーは私は存在しないと思っています。

 

 サッカーは結局「判断」だということに私は賛成です。

 ですが、2しかプレー選択がない選手と、10プレー選択がある選手では、判断の質が当然違ってきます。

 では「判断を磨く」というのは本質的にどういうことなのかという疑問が出てきます。

 自分が今持っている技術を前提に判断を磨くのか、それとも、自分の技術自体を広げるのか。

 当然、どちらの考えかによって、練習は大きく変わってきます。

 自分の今持っている技術を前提に判断を磨くならば、自陣でボールを持って相手が詰めてきたら、リスク回避の意味で「ロングボール」になるかもしれません。

 練習でもゲーム中心で、リスクを冒したプレーをしたら「今のは安全にプレーしなきゃ!」と声を掛けられるかもしれません。

 ただ、自分の技術を磨こうと思うチームでは「そこもつなぐか自分でキープしてみよう」ということになります。

 練習も技術練習中心です。

 

 こういう私のような意見はサッカージャーナリストからは否定されます。

 「それは今ある技術を考えていないプレーで、サッカーの本質ではない」ということです。

 もちろんそういう考え方もあると思うし、むしろ主流だと思います。

 ただ、私は元ブラジル代表でバロンドールも獲ったカカーの逸話を思い出します。

 カカーはユース時代、ドリブルばかりしてほとんどボールを取られていたということです。

 ですがコーチは「もっとチャレンジしろ!」と、カカーを励ましたそうです。

 試合でほとんど成功しない中で徹底的にドリブルを磨いて、カカーはあそこまでの凄い選手になったのでしょう。

 そうやってプレー選択を広げたのだと私は思っています。

 

 そしてFC.LAVIDAを見れば、客観的に、「パス主体」のサッカーは、少なくとも関東ジュニアユースの最高峰では、崩れつつあると私は思っています。