ゴールデンハイスクールあさひのブログ。「君の事が大好きだから」 -2ページ目

ゴキブリライフ3

ゴキブリとして生きていくことを決心した俺。

その決心とは、何かをすることではない。

何もしないことだ。

人間だったときの自分というものを全て捨て、本能のままに生きる。

それしかゴキブリとして生きていく術はない。


俺は呆然と下水道を彷徨った。

どこに向かって歩いているのかはわからない。
何の為に生きているのかもわからない。

わからなくていいんだ。

ただ本能に身を委ねていればいいんだ。

何も考えず無心でいるはずなのに、不思議と体は勝手に動く。

これが、本能というものなのだろう。



何も考えずに歩いていると、急に足が速く動き始めた。

『ああ、何かを求めている。』

そして、ある物の前でピタッと止まった。


目の前には、茶色い塊がそびえ立っていた。

『なんだこれは。』

見覚えのある色、形。
そして、忘れられない強烈な匂い。

そうそれは、紛れもなくウンコだった。

きっとドブネズミかなにかの糞だろう。


なぜウンコに向かって走り出し、ウンコの目の前で止まったのかは、考えたくもなかった。

何故なら俺はずっと腹が減っていたからだ。


『まさか、これを喰えって事じゃないっすよね?』

俺は恐る恐る自分のカラダに問いかけた。

すると俺の口内から唾液みたいなのがドッと流れてきた。

どうやら身体は求めているようだ。

そしてなによりその時、俺の手足はその場から離れる事を全力で阻止するように、地面に爪を食い込ませ踏ん張っていた。

どうやら逃げることも出来ないようだ。

『わかったわかった。逃げたりしないから、ちょっと覚悟だけ決めさせて。』
そう自分の身体を宥め、ウンコをじっと見つめる俺。

『カレーだと思え、カレーだと思え、カレーだと思え、これはカレー、これはカレー』
そんな風に自分に暗示をかける。


『カレー、カレー、カレー、カレー・・・やっぱ無理‼︎ 食べれるわけない‼︎ウンコじゃん‼︎』



そう思った時には、もう俺はウンコを食べていた。(←注目)


いや、自尊心を保つためにも「カラダが勝手にウンコを食べていた」と言わせていただきたい。


自殺しようとしたの時と同じパターンだった。

俺の意思は、無視された。

虫のカラダに、無視された。(おいおい「虫だけに無視。」ってか?笑   全然面白くねーよ! てかなんでウンコ食ってんだよ!バカじゃねーの⁈  ゴキブリってなんでも食うんだろ?だったらもっとマシなもん食えよ!草とか、苔とか、髪の毛とか、虫の死骸とか、そうゆう美味しそうなモノを食えよ! いや、美味しそうじゃねーわ‼︎ 感覚おかしくなってるわ!気持ち悪りぃ! てかさぁ!色々言いたいことはあんだけどさぁ、全部言ってたらキリがねぇから、一つだけ言わせてくれや!これだけ言わせて貰えりゃ気が済むからよ!いいな? よく聞けよ?言うぞ!?)






「ウンコめちゃくちゃ美味いじゃねーか‼︎‼︎」






つづく

ゴキブリライフ2



俺はゴキブリとして生まれ変わった。

前世の記憶をそのままに。


さっきまで俺がいた球体は、ゴキブリの卵だった。

そこから考えるに、周りにウジャウジャいる赤ちゃんゴキブリ達は、俺の兄弟ということになる。(ざっと見て40匹兄弟)

そして、さっきから頭上にいるクソデカいゴキブリは、俺の母ちゃんか父ちゃんというわけだ。


大家族にも程が有る。

ビックダディもお手上げだ。


幸いな事に、ゴキブリには子育てをする習性はないようで、そこだけは本当に救われた。

もしあのビッグゴキブリダディに、頭をなでなでされたり、ほっぺにチューをされたり、いないないばぁ!をされたらと考えただけで、鳥肌が立つ。
いや、たぶん触角が立つ。


とにかく俺はこれから、このゴキブリ大家族の一員として生きていくことになる。

【痛快!20男20女、ゴキ崎さん家の大家族スペシャル!~2015夏~】
に出演決定というわけだ。


その出演オファーをそう簡単には受け入れられなかった。


人間として過ごした記憶がガッツリ残っている俺が、ゴキブリとして生きていくことは、どう考えたって不可能だ。

まるで花王のキャッチコピーのような「清潔で美しく健やかな毎日」を送ってきた俺が
「不潔で汚く壮絶な毎日」を過ごすゴキブリ虫生を送れるわけがない。




『とりあえず、ここから出て行こう。』


生後数分で家出の決心がついた俺は、仲間の死骸や糞を美味しそうに貪り食う兄弟達に背を向け、1人でトボトボと歩き出した。
(※訂正  1人→1匹   トボトボ→カサカサ)




実家(巣)から出て行った俺は、薄暗い道無き道を、彷徨った。

とにかく1匹になりたかった。
ゴキ目のつかない所にいきたかった。

休まず、ひたすら歩き続けた。

歩いても歩いても、疲れない。

身体が軽い。バリくそ軽い。

そもそも、疲れという感覚があるのかも疑わしいほどだった。


おそらくここは下水道。

水はほとんど流れてないから、もう使われていない排水管だ。

気味が悪い、気色が悪い。
全てがキモい。

何もかもが人間と違う。


『どうして人間の記憶なんか残ってんだよ!』

きっと閻魔様に歯向かったからだ。
俺を送り出す時、妙にニヤニヤしてたのを覚えている。

絶対にあいつの仕業だ。

全部あいつのせいだ。

「アイツぶっ殺してやるからな‼︎」
と叫びたかったが声は出なかった。
ゴキだから。





『これからどうすればいいんだ。』


その答えはもうとっくに決まっていた。


[死ぬ]

その選択肢以外、思いつきもしなかった。

死んだらどうなるかはわかっている。
また同じように抽選され、生まれ変わる。

どんな生き物に生まれ変わるかはわからないが、このままゴキブリとして生きていくよりはよっぽどマシだ。



「よっしゃ!いっちょ死にますか!」

そんな軽い感じで俺は壁に向かって全速力で走り出し、思い切り体当たりをした。

バチン!

あれ?
もういっちょ!

バチン!

もういっちょ!

バチン!


・・・。


痛くない。

全く痛くない。

俺は思い出した。
「昆虫には痛覚がない。」ということを。


『この死に方は無理っぽいな。』

早々に諦め辺りを見渡すと、水溜りを見つけた。

『これだ!』
外傷で死ねないなら、溺死だ。

これなら水に入ってるだけでそのうち溺れ死ぬことが出来る。

「レッツ!ダイブ!」
水溜りに飛び込んだ。

6本の足で水を掻き、水中に潜って行く。

『うっひょー!苦しいー!!これは逝けるぞ!』

死への期待感に胸を踊らせながら、底へ底へと潜っていく。

『めちゃ苦しい!逝ける逝ける逝けるぅー‼︎‼︎』

意識が朦朧としてきた次の瞬間だった。


バシャバシャバシャバシャ!


俺の6本の足は、物凄いスピードで水を掻き始めた。

『えっ?なにこれ、ストップストップ!』
そんな俺の指令を完全にシカトして、ガムシャラに水を掻く足達。

そして勢い良く水中から飛び出た、俺。



。。。。


うん。

そうかい。

ゴキブリが何億年も前からずっと生き延びてきた理由がわかったよ。

その生命力は、己の精神をも凌駕するということなんだね。

いくら死のうとしても、それを勝手に阻止するDNAがしっかりと組み込まれているということなのね。

要するに、自殺は100%無理ってことなのね。




「やっぱゴキブリ最強じゃーーーーん‼︎‼︎」




その時俺は、ゴキブリとして虫実(ちゅうじつ)に生きていくことを、決心した(させられた)のです。



つづく。

ゴキブリライフ

こんにちは。


あさぽんです。


芸人をやめて、サラリーマンになりました。
すごい暇です。

だから、すごい長いブログ書きました。

よかったら、読んでくださいね。








【ゴキブリライフ】



俺はゴキブリ。



そう、人間が最も嫌う生物。




三ヶ月前、俺はこの世に産まれた。


ゴキブリとして。



ちなみに、その前は人間だった。

人間として、ごく普通の生活を送っていたが、交通事故で死んだ。


輪廻転生って知ってる?
死んだら生まれ変わるってやつ。

その抽選で俺は最悪なクジを引いてしまった。

「善人は天国、悪人は地獄」
みたいなこと良く言われてるけど、実際はそんなのない。

完全確率制。
要するに、どんな生物も厳重な抽選により、平等の確率で転生先を振り分けられる。

生前、真面目に生きていようが不真面目に生きていようが関係ない。

そもそも天国も地獄も存在しない。
死んだらすぐに抽選されて、すぐ生まれ変わる。


あの世で閻魔様からその事を告げられた時、俺はブチ切れた。

「ちょっとまて、おかしいだろ!俺は真面目に生きてきたんだぞ!」

「いや関係ないから。」

「なんでだよ!善人も悪人も同じなんておかしいだろ!」

「じゃああなた、魚食べたことない?」

「そりゃ、あるけど。」

「じゃああなた、魚からしたら悪人だね。」

「いや、だってそれは生きてく為だろ!」

「生きる為なら殺していいの?」

「いや、、てか、、そんなの言い出したらキリ無いだろ!」

「そう、キリがないの。善悪ってのは、見る角度によっては変わってきちゃうの。だからみんな平等に抽選なの。」

「そんなのありかよ、、」

「まぁ大丈夫、生まれ変わったらもう今までの記憶は無いから。記憶がなければ別にあなたに関係ないでしょ。」

「そりゃそうかもしれないけどさぁ、。」

「はいこれ、抽選券。あそこの列のニワトリさんの後ろに並んでね。いってらっしゃーい!」

閻魔様にポンと背中を叩かれ送り出された。


抽選券を受付に渡すと、ドデカイ球体の中に入れられた。

球体の中は何千何万の多種多様な生物でごった返していた。


「皆さん、ここから出た時にはもう自分ではありません。新たな別の生命として生まれ変わります。お疲れ様でした。では、素晴らしい来世を‼︎」
そんなアナウンスが流れたと同時に、球体が高速で回転し始めた。

もう球体の中はごちゃ混ぜ状態。

どんどん回転が加速していく。

『厳重な抽選って、こりゃやり過ぎだろ!ロトシックスか!』
そんなことを思っていると、突然球体内が暗闇に包まれ、アナウンスが流れた。


「はいじゃあ、いきまーす‼︎
サン、ニイ、イチ、ゼロッ!」


次の瞬間だった。

球体の表面に無数の穴が開き、光が差し込んだと同時に、遠心力によって中の生物達が外へスポポポポンと飛び出していった。


もちろん俺も。

スポンッ




「眩しっ‼︎」


これ俺の人生最後の言葉。












どれくらい時間が経ったかわからない。

気づくと俺は、また球体の中にいた。

でも今度の球体は小さい。クソ狭い。しかも俺一人。

もうわけがわからなかった。

俺は必死に暴れ回った。

しばらく暴れていると、球体が破れて俺は外に出るとこが出来た。

外は薄暗くて、ジメジメとしていた。

『ここどこ?』

辺りを見渡してみてまぁビックリ。


虫だらけだった。

しかもかなり見覚えがある虫。。。





~ここからは俺の心の声をご堪能ください~


うわっ!なんだこれ!
え、、なにこいつら、ゴキブリ⁈
なんでゴキブリしかいないんだよ!
てか、でかくね?
俺と同んなじサイズじゃん!

はっ⁈

ちょっとまって、、
なんで俺こんな黒いの?
頭に2本ついてるのなに?
てかなんで手足6本あるの?


え、、、

うそっしょ?

いやいやいやいや、うそだー!


ちょっと待て、落ちついて整理しよ整理!


俺は死んだ

あの世で変な球体に入れられた

外にでたら別の生命になるって言われた

そして今外に出た

周りには俺と同じサイズのゴキブリがたくさんいる

俺の手足が6本ある。



。。。





うん。


うんうん。


了解了解。





ゴキブリっすね!!!

俺、ゴキブリに生まれ変わったんすね!

やったぜ!
ずっと憧れてたんっすよー!

だってゴキブリって、カッコいいじゃないっすか!

すばしっこいし!
飛べるし!
生命力強いし!
共食いするし!
バイ菌たくさん持ってるし!
キモいし!



んもーう、最高ぉーーー‼︎‼︎















じゃねぇーわ‼︎‼︎‼︎


はぁぁ‼︎?

ないないないないマジでありえない‼︎

ゴキブリだけはマジでない‼︎

一番ない‼︎

人間がいい‼︎

動物がいい‼︎

やだやだやだやだやだ‼︎




っ‼︎‼︎




えっ?



待って!!

ちょい待ちちょい待ち!





なんで俺、、記憶あるの⁇



生まれ変わったら記憶なくなるんじゃないの?


ガッツリ記憶残ってんだけど!

心のアルバムに、思い出ビッシリ詰まってるんだけど!



あ、わかった!

テレビで見たことあるよ!

ごく稀にいる、前世の記憶が残ってる人!




それね!


オッケーオッケー!

それなら話が早いわ!


よーし!
これからは人間の時の思い出を胸に、ゴキブリとして一生懸命生きていこう!

素敵な人生を送ろう!

あっ!
てか、ゴキブリは虫だから「人生」じゃなくて「虫生」か!

こりゃ傑作だ!

アハハハ!

アハハハハハハ・・・















死にたいっ(^O^)/




~心の声終了~





まぁそんな感じで

俺のゴキブリライフが始まった。








つづく