予想以上の面白さ。
↓新幹線大爆破
題名だけは知っていた。いつかスクリーンで観たいと思ってた。とてつもない面白さだった。
高倉健演ずる主犯は鉄工場の経営に失敗し妻子に逃げられた男です。しかし沖縄出身の元社員だけは残って彼を助けます。そして偶然知り合った元活動家の男。彼ら3人で新幹線にダイナマイトを仕掛け、乗客1500人の命と引き換えに巨額の身代金をドルで要求する。
爆破装置は時速80kmで起動し、時速が再び80kmに下がると爆発します。つまりいったん走り出すと止まれない。爆破装置を止める方法を身代金と引き換えに教えようというわけです。
国鉄本部と主犯のやり取りがすべて固定電話というのに時代を感じます。しかしそんなことどうでもいい。脚本が圧倒的にいいのです。高度成長期の日本において取り残された主犯らと新幹線の中にいる絶頂期の人の格差を背景に物語はクライマックスに向かって進むのです。
本作の一番の見どころは主犯が撃たれた瞬間のストップモーションです。完全犯罪成功かと思わせる寸前、主犯は闇の中に崩れ落ちます。この蹉跌こそが本作をより印象深いものにしています。
2025年通算96本目
