筒井康隆の小説が原作です。

 

 

フランス文学会の重鎮である元大学教授が主人公です。20年前に妻が他界してから自分なりに自炊するなど丁寧な暮らしを続けています。時に元教え子たちがやってきて助けたり助けられたりも行います。

 

ある時パソコンに「敵」という題のメールが送られてきてから様子が変わっていきます。場面も夢なのか現実なのかあえて明示しないように描かれます。死んだ人物が登場したりもします。多くは主人公の夢なのですが妄想の可能性もあるのです。

 

主人公は残りの人生と預金残高と年金収入を緻密に計算しています。しかし忍び寄る老いはその計算さえも困難にしていくのです。「敵」とは老いていく自分自身であると思いました。

 

 

2025年通算42本目

 

 

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