若いころのトム・ハンクスと痩せているマット・デイモンが出ています。
4人の息子の内3人までもが戦死した家族のために戦場に取り残された1人の戦士を救出に行くことが決まります。8人の特命部隊が組まれます。当初から不合理であることは隊員すべてわかっています。1人のために8人が命を懸けるのか。
有名な映画ですからあまりこの点は書きません。私が特に印象に残った人物、新兵であるアパムについて書きます。アパムは戦争経験は皆無ですが敵陣であるドイツ語とフランス語に堪能であるため部隊に選ばれます。インテリなのです。銃撃戦になっても銃を撃てません。仕方なく銃弾を補給する役回りになります。
物語のクライマックス。仲間とドイツ兵が取っ組み合いの肉弾戦の場面、アパムはアパムを呼ぶ仲間の叫びを前に動けません。結局仲間は殺され、ドイツ兵は階段で震えているアパムを一瞥し去っていきます。
その後の死闘によりドイツ兵たちは降参します。数名で現れたドイツ兵の中に先程の兵士がいてアパムを見て「アパム」と呼びかけます。するとアパムは銃で無抵抗の彼を銃殺するのです。
敵討ちという見方もあるでしょうが私は口封じ説を採りたい。
監督のスピルバーグがアパムのシーンに結構な尺を割いたのは人間の弱さズルさを書きたかったのではと思います。
2024年通算173本目