圧巻。当時の戦場の様子がありありと描かれています。
ソ連の兵士たちが軍用列車にすし詰めにされ対ドイツ戦の最前線に送り込まれます。銃は2人に1丁。相棒が死んだら自分が使います。敵に背を向けると仲間から撃たれます。どっちに進んでも待つのは死です。戦場はスターリングラード。最高指導者スターリンの名を戴いた都市ですから国の威信にかけて失うことはできません。戦場は死屍累々。死体から金品を盗む兵士まで現れます。
そんな中、政治将校に射撃の腕を見込まれて狙撃兵として起用されるのが主人公です。政治的な思惑もあり彼は英雄として日々新聞でその成果(仕留めた敵の数)を喧伝されるようになります。スターリングラードでは膠着状態が続きます。
それを打開すべくドイツから狙撃兵として少佐が送り込まれます。少佐と主人公の頭脳戦かつ持久戦が始まります。
すごい映画でした。戦場だけでなく戦場から野営地に戻った兵士たちの営み、そして兵士と民間人との関係など映画を観なければ想像すらできない世界がありました。
人間が当たり前のように死んでいく世界と冷戦後の私たちの世界の違いを考えました。またウクライナやパレスチナで現在進行している戦争についても思いをはせました。
2024年通算160本目