フランスで移民の多い地域の市長代理と住民たちの軋轢を描いた映画です。バティモン5とは半スラム化した公営団地の愛称のようです。
映画はエレベーターが壊れたまま何年も放置されている団地10階から始まります。住民が亡くなり棺桶を担いだ男性たちが階段をひたすら降りていきます。別の団地が爆破解体される式典で市長が突然倒れます。市会議員で小児科医の男性が議員投票で市長代理に選ばれます。男性は市長となったことにより政治的な姿勢をリベラルから強硬派に徐々に変化させていきます。
フランスは背景が様々な移民を受け入れている国です。言葉が自由にならず仕事を選べない人々が集まるのは打ち捨てられたような地域(バンリュー)です。そんな地域の中からでもフランスに夢と希望を持ち人生を送ろうという若者がいます。
映画は最悪の事態だけは回避する形で終わりますが人生はまだまだ続きます。移民の受け入れが不可避であるらしい日本の未来図を観るようでした。
2024年通算92本目