またTAR/ター観てきました。2回目です。リディア=ターという名の女性指揮者の物語です。
1回観ただけでは理解できないモヤモヤしたものがありました。ネット上での評価や感想を読んでいるうちに自分の目でもう一度確かめたくなりました。
彼女の属性を理解しないと私の感想も理解できないと思いますのでザッと紹介します。
ターは同性愛者です。実在の超一流の楽団をモデルとした楽団の指揮者です。才能と努力によって最高の地位に登りつめました。家庭では同性のパートナーと養女?に囲まれ幸せそうに見えます。しかし作曲とマーラー交響曲第5番を指揮するプレッシャーが だんだん彼女を追い詰めていくのです。
1回目に観たときは女性であるターが男性的な振る舞いによって人を傷つけている逆説性が主題と理解しました。今回はそれに傲慢の罪も加えなければならないと思います。
ターは傲慢さによって周囲との関係性を少しずつ失っていきます。名声さえも。
最後のシーンは彼女の再生の象徴なのか、成れの果てを示したものなのか、私にはどちらにも取れます。しばらく考えてみたいと思います。
2023年通算64本目
