30年も前の話ですが、
私が開業した頃、とある電話を取ったところいきなり、
「先生!なんでこんなキツイ薬を出したんですか!!」
とのこと。
話をお伺いすると、その飼い主さんは、某先生に転院したらしく
「こんな猛毒の薬をやるからだ!」と言われたそうです。
当時は、薬物名をお示ししておらず何をもって猛毒なのか
全く理解できませんでしたし80代の獣医さんだったので
お電話もしませんでした。
次に、15年ほど前の話ですが、
心臓疾患で長い間、通院して頂いた犬が
ある日、具合が悪く数日治療したところ
別な病院にかかったらしく
緊急手術を行い1晩で亡くなったとご報告を受けました。
その時の電話の内容が、
「先生!どうしてこの病気が解らなかったんですか!」
です。
某先生曰く、「もっと早ければ助かっていた・・・」「なぜ、この病気が解らなかったのか!」
です。
まともに受け取ると、仕方がない飼い主さんの言葉ですが、
考えてみてください。
某先生が、数日前にOPEをしていれば、本当にその犬は助かったのでしょうか?
数日前に、その病気は発症していたのでしょうか?
数日前に、OPEをしないとダメな状態だったのでしょうか?
一番の疑問は、心疾患のOPEを夜間に緊急で行い死亡させたのは、紛れもない某先生です。
内科治療で行い万全な状態でOPEを行っても良かったのではないでしょうか?
過去の臨床症状は、推定でしたありません。
過去のあやまちがあったとしても、
現在の状態をリカバリーするのが西洋医学であり
将来、起こらないように予防するのも医学ではあります。
しかし、医学には、メリットあれば必ずデメットがあります。
そこが難しいところで
獣医師の判断と飼い主さんの理解で成り立ちます。
未だに、
獣医師の余計な一言は、現在も横行しています。
言われた飼い主さんも後悔の念に駆られます。
一生後悔する方もおられます。
獣医師が否定的に言うのは、簡単ですが、
前医に話が伝わることも知っておいてください。
相手が話せない動物であることと
色々な出来事を理解して判断するのは飼い主様です。
そこで、
治療の選択と言うのも大事な判断材料です。
動物病院は全科診療の病院がほとんどで、全部得意な獣医師はいないでしょう。
また、次回話します。