シルビア:み、見つけたわよ!ちょっとそこのあなた!
メイリー:ええ?どなたですか?わたくし、あなたに見覚えありませんけれども。
シルビア:そんな嘘は通用しなくてよ!昨日わたくしのブログにコメントしたのあなたでしょう!?
メイリー:えっ…?ま、まさかあなた!あの限界オタク界隈の限界ブログ管理人、シルベーヌ!?
シルビア:呼び捨てするなんて失礼な!そんなあなたはその限界オタクブログに、世界の果てまでスクロールが必要なくらいの長文をコメント欄ギリギリまで書き綴ったマリアナ海溝待ったなし!さんですわよね!?
メイリー:ネ、ネットの名前を公の場で使うのはやめてくださるかしら!これだからネットリテラシーのない方は嫌ですわぁ〜!
シルビア:それについては謝罪します!だってわたくし、あなたの本名を知らないのですもの。
メイリー:あ、そうですわね。わたくしメイリーと申しますわ。こちらこそ限界オタクなどと言う不用意な言葉を使って申し訳ありませんでした。それで、あなたのお名前は?
シルビア:わたくしはシルビアと申します。さて、お互いの自己紹介を済ませたところで本題に入りましょう。あなたもレゾニー様のファンなのかしら?
メイリー:ええ!そうよ!まさか昨日レゾニー様の声劇アーカイブを聞いて眠れなくなってネットサーフィンをしていましたら、レゾニー様の事を書いたブログに行き着くなんて!
そしてそのブログときたら、あらゆる方面からレゾニー様を褒めちぎる宇宙規模のビッグラブに溢れた猛々しい文面で……暖房も入れてないのにわたくし、悔しくも汗ばんでしまうほどでしたわ!
シルビア:それはなんだか誇らしいわね!だけどね、わたくしは……同担拒否なのよ!
メイリー:わたくしだってそうよ!あんなに素晴らしいブログを書いている方が同じ学園にいると知ったわたくしの気持ち、あなたおわかりになって?いっそ気持ち悪いくらいだわ!
シルビア:貶されているのか誉められているのかわからないわね……。それはそうとあなた、昨日のアーカイブ聞いたわよ!レゾニー様とサシ共演してたじゃない!ずるいわ!わたくしを差し置いてレゾニー様とラブストーリーを演じるなんて…!
メイリー:シルビアもすればいいじゃないの。レゾニー様はお優しいから何も心配いらないわ。別に同担拒否と言っても、レゾニー様と共演するのは自由なんだから。それにすごいのよ、もうほんとに……なんかすごいんだから!!
シルビア:語彙力死んでるわよあなた……。
(スマホが鳴る)
シルビア:ちょ、ちょっと!!レゾニー様がフリートークを始めたわ!?しかもコラボ付き!
メイリー:これは行かねばなりませんわね!レゾニー様にわたくしたちのどちらが、優れたファンなのか判定して頂きましょう!?
シルビア:望むところよ!私を選ぶに決まってるわ!通話の申請をして…と!
レゾニー様!ごきげんよう、シルビアですわ。
レゾニー:ああ、シルビア久しぶりだね。元気にしていた?最近顔を見せないから寂しかったよ。もし時間があれば、また劇をしたいね。
シルビア:そそ、そんな、勿体無いお言葉……ッ!
メイリー:シルビア!?シルビアが溶けちゃう!しっかりしなさい!まだ死ぬには早いわよ!
シルビア:だっだだだだって……ッ3日ぶりのレゾニー様ボイス……ッ!
メイリー:意外と直近じゃないの!レゾニー様ごきげんよう、メイリーですわ。
レゾニー:おや、2人とも同じ場所にいるの?知り合いだったのかな?随分仲が良さそうだけど?
シルビア:違いますわ!だってわたくしたち、
二人で:同担拒否ですから!(声合わせて)
レゾニー:ど、同担拒否?それは一体どういう……?
シルビア:コラボを申請させて頂いたのは他でもありません、わたくしたちのどちらがレゾニー様をより深く理解しているか、ジャッジして頂きたいのです。
レゾニー:ええ…?そんなの恐れ多いよ……俺はファンですって言われるだけですごく嬉しいし…
メイリー:ダメです!わたくしたちを甘やかさないで!
レゾニー:ヒェ……。
シルビア:それでは始めます。僭越ながらトップは私が務めさせて頂きますわ。
まず、レゾニー様は…演技もさることながら、その前の収録されない部分!前説もとっってもお上手なんですの!あんなに初めて同士が何人も集う場所で、和気藹々と会話出来るのはひとえに!レゾニー様のお力によるものです!
メイリー:わかるわ〜ッ!わたくしも初めての共演でドキドキしていた時、優しくリードしてもらいましたもの!
レゾニー:いや、そんな大層なことをしたわけじゃないよ…。ただ、声劇はとても楽しいから、またやりたいなと思ってもらいたいだけだよ?
メイリー:尊いッ!次はわたくしが務めさせて頂きます!
先ほどの発言からもわかりますけれど、レゾニー様はとても謙虚な方なのです!お声も話術もずば抜けておりますのに、ここまで慎ましくおられるなんて清楚、可憐、高貴の三拍子揃った淑女ですら裸足で逃げ出す勢いですわッ!!
シルビア:同意しかない…!そうですわね、その能ある鷹は爪隠す理論、地で行く御姿勢は素敵です…!でもね、レゾニー様は隠しすぎよ!もっとひけらかしていいのに!
レゾニー:いやなんかもう恥ずかしいな。2人とも本当に俺について話してる?そこまで行くともはや別の人の話をしてるんじゃないかって不安になるんだけど。
それに俺ばかり褒めているけど、2人とも、とても素敵な演技をしてるんだからね?
シルビア:な、な、なんてこと!ああっ!メイリーが流れ弾にあたって死にかけてますわ!しっかりなさいませ!
メイリー:うぐぐ、だって素敵って……レゾニー様が……!
レゾニー:大丈夫かなこの子たちは……。
シルビア:まだ戦いは終わってませんわよ、メイリー、最後まで走り抜けましょう!あなたのあの怒涛のコメント量、わたくし感服したのよ?まだレゾニー様に3%も伝えてないじゃないの!
メイリー:シルビア、敵ながらその意気尊敬いたしますわ…っ!でもね、ご本人を前にあのコメントの内容を全てお伝えするのは流石に憚られるというものよ!
あなただってあのブログ、レゾニー様にお見せできますこと!?
シルビア:無理!それは無理な話だわ!あんなものをお目に入れてしまったとあれば、市中引き回しの後、打首獄門にあったとてぬる過ぎる処罰です!
メイリー、申し訳ない、わたくし短慮でありました!
レゾニー:ねえ、君たち一体どんな事を書いてるの?そこまで言われちゃ見てみたい気もするんだよね。いや、すごく怖いんだけどさ……。
シルビア:いけませんわ、レゾニー様。
メイリー:ええ、全く。いけませんわ。
レゾニー:どうして!?
シルビア:レゾニー様、乙女には殿方には決して見せてはいけない、闇というものが存在しましてよ。
レゾニー:や、闇……?そんな大層な……。
メイリー:決して軽々しいものではありません。乙女は、その内なる情熱、もとい闇をきちんとした愛に変換する、もしくは完璧に隠し通す事で、やっとひとりの淑女たりえるのですわ。
シルビア:愛があれば、そこには必ず闇も一緒についてくるのです。是非とも殿方たちには、その心情も察して頂きたいところです。
レゾニー:……は、はぁ……殿方代表として、うん、肝に銘じておくよ…(女って怖い)
シルビア:さて、メイリー?次はレゾニー様の真骨頂!お声についてのお話よッ!
メイリー:えぇ、えぇ、えぇ!!そこが一番大事なところですものね!
コホン、それではわたくしから。これこそレゾニー様の一番の魅力!なんでもこなせるオールマイティなお声についてよ!
なんと申したらいいのかしら、レゾニー様は得意なお役というものがございますか?
レゾニー:えっ…あぁ、いきなり話題がこっちにきてびっくりした…。特に苦手、と思うものはないよ。ただこれを演じるのは好きだ、というジャンルはあるね。
シルビア:わたくしはレゾニー様のお声の中でも、気のいい青年や熱血青年のお声が大好きなのです!もちろん!他のお声もとても素敵ですが!!
メイリー:レゾニー様の声質というのは、どちらかというと荒野系と申しますか……ワイルド系に近いところがありますよね!
シルビア:わ、わかる〜っ!さすがですメイリー!でもね!でもね!!?この少し乾いているお声、冷たい役になるともうっ!もうっ!最高なのですよ!
突き放しているのに、どこか温かみがあるのですわ〜ッ!どうしてなんですか!?なんであんなお声が出せるのですか!
わたくし三日三晩寝ずにベッドの中で考えましたけど、未だに答えが見つかっておりません!今日も眠れそうにありませんの!
レゾニー:いや寝て!?寝てください!そんな意味のわからない疑問で貴重な睡眠時間を無駄にしないで?!
メイリー:シルビア、あなたの解釈宇宙一同意ですわ〜!何を隠そう、わたくしも三日三晩寝てないのです!お互い目の下がドス黒いわねと思っていたら、同じ解を求め続けていた結果でしたのね〜!
さては?さてはーーっ!?聞きましたのね!?三日前の、不治の病に侵された妻を看取るアーカイブ!聞きましたのね〜!
シルビア:聞いたわよ百回聞いたわよ〜!!あのような調べを聞かされて!?眠れるわけないじゃない!おめおめと入眠できるはずがないじゃない!?というか、他のキャスト様方もとんでもなかったわよ!
嫉妬する気も起きません!ただ、あぁ…ありがとうございます……ってベッドの上で五体投地をしてしまった夜だったわ!
そ、し、て!なんと言ってもレゾニー様のあの悩ましげな吐息!いやらしい意味じゃ決してございませんのよ!?あの苦悩に満ちた吐息!はぁ〜っ!もう最高なのよ!ビッグバン飛び越えて宇宙の晴れ上がりなのよッ!
レゾニー:なんかもう意味がわからないんだけど……。
メイリー:あらいやだ!もうフリートーク枠が半分過ぎているじゃない!ねぇレゾニー様、わたくしとシルビア!どちらが優れたファンか、決めてくださいまし!
レゾニー:えっ
シルビア:えっ!じゃないんですわ!わたくしもメイリーも弁舌を奮いましたでしょう!?どうか勝敗を!
メイリー:そうですわそうですわ!
シルビア:レゾニー様!
メイリー:レゾニー様!
レゾニー:う、ううう
シルビア:ううう?
レゾニー:う、う……ッうるっせぇんだよぉぉーーッ!お前ら!人のフリト枠で何してくれとんじゃぁぁ!こんなんじゃご新規さんも入りづらいだろうがァァッ!
悩ましげな吐息ぃ!?そんなのした覚えねえ!あれは役なの!俺じゃないの!わかる!?
メイリー:ええ!レゾニー様の吐息でしょう?
レゾニー:ちがぁぁうっ!俺じゃないんだって!いや、俺なんだけど!ねぇ!日本語通じて!?
シルビア:まぁぁぁ!珍しいッ!いつもは凛とした大天使様のようなレゾニー様がお声を荒げているわ!
メイリー:ええほんとに!うふふっ怒った声も素敵ですわねぇ!
レゾニー:なんなんだよ!疲れる!めちゃくちゃ疲れるわ!なんか道端の花に激怒してる気分だわ!無駄か!?
………はぁ、はぁ……落ち着け、俺。クールになれ。こんな女子二人から熱烈な好意をぶつけられること自体、喜ばしいはずなのに悪寒が止まらん…ッ!
あ、争いはだめだよ、俺のファンなら、二人とも仲良くして欲しいかな……?
メイリー:さすがレゾニー様ですわ!シルビアっ!神託も頂いたことですし、ここは同盟を組みませんこと!?
シルビア:むむぅ、そうですわね…貴女とお喋りしていると楽しくて仕方ないものね。同担拒否は今日限りでやめるわ。よろしくね、メイリー!
メイリー:ええ!ええ!これからも一緒にレゾニー様を崇拝していきましょうね!
レゾニー:やめろぉ!俺を巻き込むんじゃねぇ!
シルビア:さて、ではレゾニー様、また劇でお会いしましょうね!うふふ、こんどはメイリーと3人で、というのも楽しいかもしれませんわ♡
メイリー:ええほんとに、楽しみですわぁ♡