「粉に含まれるグルテン成分」についての質問を頂きました。


「強力粉、ちゅうりき、薄力粉で成分違いましょね?強力粉に水を加えると水の性質により、グルテン形成となりますが、これをミルクにするとグルテン形成率って下がるのでしょうか。あと油脂いれることで、グルテン阻止になりますが、(例・・シュー)

それなら薄力粉とバターの組み合わせってグルテン少なめのような気がするのですが?


グルテンの性質です。


グルテンとは何でしょうか?

グルテンとは小麦の持つたんぱく質の一種で、グルテニンとグリアジンと水分が反応して結びついてグルテンとなります。


小麦はこの両方のタンパク質を持っています。

グルテニンは弾性・グリアジンは粘性とも呼ばれていて、その両方を持っているのは小麦です。

ライ麦はグリアジンはもっていますがグルテンがないためべたべたします。


このグルテンを作るのには

①小麦

②水

③力


と言われています。


パンは「捏ねる事によってグルテンをつくる=捏ね上げはグルテン膜のチェック」をしますよね。


でも、実はあのグルテン膜は時間がたつとあのような薄い膜が出来るのです。

はじめグルテンはイメージだと太い束のようになっています。

それが、水と合わさり時間がたつとだんだん1本が細い糸のようになっていきます。

結果それを広げると薄い膜になります。


その膜ですが、もろくてすぐに破けてしまいます。

その膜を強くするために「捏ねる」という物理的な力が必要となってきます。


だから、効率よく捏ねる為には、グルテンがしっかり広がる状態にしてから捏ねたほうがよいのです。オートリズという製法はとても理に適っている方法です。

加水が多くて捏ねにくい場合に使うというイメージがありますが、

それは捏ねる回数を極力減らしたい。手数を極力少なくする中で弱いグルテンを壊さないように作る「パンチで生地をつなぐ」という手法に繋がります。


一方、良く捏ねる生地ですが、良く捏ねる=しっかりした骨格・気泡を保持する・均一・きめ細かい等をねらって捏ねていきます。


太い毛糸で編むセーター(ローゲージのざっくりニット)より細い糸で編んだ布のほうが隙間が少ないですよね。そのほうが隙間がない=気泡をきちんと保持できる=細かいふんわりパンになる。というわけです。


さて、本題の「グルテンの形成の阻害」という事について話していきましょう。


グルテンの形成は小麦+水ですよね。

要は、その水と結合することを阻害する物質はすべて「グルテン形成率の低下」に繋がります。


代表例は

「油脂」

だから、油脂はある程度捏ねてグルテンがしっかりできて繋がって強化された段階で入れていきます。


「油」ではなくても阻害するものはあります。


・乳(生クリーム・牛乳)乳脂肪が多ければ多いほど阻害=「さっくり」「歯切れ良い」という表現のパン

・塩・・グルテンをキュッと引き締める効果はありますが、入れないほうが水和が進む=グルテンが形成される。そのうえでグルテンを強化・軟化防止として塩(ミネラル)が必要になります。

・砂糖

・多すぎる水(グルテンは出来るけど、グルテンは弱いものになります)

・粒子の大きな粉(ミシン目のような状態になる)


では乳でかんがえますが、生クリーム食パンとあるものは「さっくり」を狙っています。トーストして食べると本領発揮ですね。それは乳の中にある「乳脂肪」がグルテンと水が水和するのを邪魔するからです。

では「油脂」がなければよい?という事で考えられるのが「脱脂粉乳」。普通に牛乳よりはよいのですが、

結局は粒子としてのこるので、やはり水和を邪魔すると考えて良いでしょう。


小麦の種類によってもちろん違います。

しかし勘違いしてはならないのは、

小麦は産地によってその特性が違います。

強い小麦は北米産だし、

日本やオーストラリアの小麦は「低アミロース」なのでモチモチします(お米でいうともち米)

フランスの粉は味わい深くなるけど難しい・・・

(これはパン理論の4回目の「粉」の回で行います)


グルテンを考えると、よく日本の粉は「たんぱく質含有量」で強力粉・中力粉・薄力粉と分類しますが、

どちらかというとタイプ(灰分)で判断して下さい。

粒子が粗いほうが水和しにくいです。だからグルテンを作るという事だけ考えると、

同じ全粒粉でも細かく挽いたほうがグルテンが形成されやすいです。そしてグルテンの破壊もしにくいです。


ちょっと文章だと説明しずらいので誤解されやすいのですが、

後日グルテンのでき方を動画でアップします。


 

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