皆さま、おばんです!
東海道本線・富士駅と中央本線・甲府駅を結ぶ身延線。
前身は昭和3年に全線開通した私鉄の富士身延鉄道で
昭和13年に国に借り上げ、昭和16年に国有化された路線ですが、
国有化されてから76年が経過した今も
私鉄時代の面影がぷんぷん漂う駅があるのですよ。
起点の甲府駅から数えて3駅目、甲府市内にあるこちらの駅でした。
身延線・南甲府(みなみこうふ)駅です!
見てくださいよ!とにかくデカい駅舎を持つ駅なのです。
この駅舎の巨大さに思わず固唾を飲む自分。
この大きさには絶対に理由があるはず、そう思った方は大正解です。
南甲府駅、開業時は甲府南口駅と呼ばれた駅でして、
私鉄時代には、富士身延鉄道の本社が置かれていた駅だったのですよ。
駅舎の正面に貼られた建物財産標を見る。
うむ、間違いなく私鉄時代に建てられた駅舎ですね。
この駅舎には私鉄時代の面影が沢山残っておりまして、
例えばこの正面口。
デッカな庇が特徴的ですが、甲府市中心部に向けて
ここから自社が運行する自動車(乗り合いバス?)が発着していたとのこと。
この庇の下が自動車の乗り場だったわけです。
装飾が施された支柱からも、富士身延鉄道が
この駅を甲府の玄関口に相応しい駅に仕立てようとしていた意気込みが
伝わってきますよね。
あ~もぅ、見てるだけでゾクゾクきちゃう。
そんな南甲府駅は存在自体もユニークで、甲府市内では唯一の
JR東海が管理する「みどりの窓口」を備えた駅だということ。
JR東日本のエリア内の甲府駅からわずか3駅しか離れてませんが、
ここではJR東海が販売する割引切符が購入出来るそうです。
東海道新幹線の割引切符とか、
地元の東北じゃ簡単に手にすることが出来ませんからね。
羨ましい~
駅舎の大きさに対して意外に狭めな感じの待合室です。
かつて2階には食堂があったとか。
他には階上庭園もあったみたいで…
2階部分が開放される機会があれば絶対に見てみたい!
そんなツアーがもしあれば、
間違いなく全国から駅ファンが集結すると思いますよ。
構内踏切を渡ってホームに入ります。
その前に…
構内踏切の入口に上屋が架けられてますが、
こちらの支柱はカーネギー社の輸入レールが使われておりましたよ。
他にも探せばもっとお宝が出てくるかも。
南甲府駅の広い構内、
かつて貨物列車や電車の留置線として使われていたみたいですね。
そして南甲府駅の島式ホームです。
南甲府駅はかつて、貨物の取扱量が多かった駅だそうで、
平成9年まで、ここを起点とする専用線が延びていたそうです。
下は昭和51年に撮影された航空写真ですが、
右側(東方向)に線路が延びているのが見えますかね?
宇部三菱セメント甲府SCのセメントサイロに繋がる専用線で、
この線路の一部(駅構内の箇所)は今でも残っているんですって。
自分は、電車が停まっていたので気づきませんでしたが、
電車の背後にカーブする線路があるそうですよ。
こういうのって、帰宅してから気づくのは毎度のこと。
このホームの端部に、
私鉄時代に造られた地下通路を塞いだ跡があるっていうんですけど…
もう!また南甲府駅に行きたくなったじゃないのよ!
ホームを徘徊していた最中に特急「ふじかわ」が到着しました。
この駅からの特急利用者が多いのに驚きましたけど、
年末だったから…ってことではないですよね?
最後は駅舎の写真で〆ます。
身延線は今から30年前、
自分がまだ高校生だった頃に、通しで列車に乗ったことがありました。
今はこれだけ駅好きなのに、
手元に残っている当時の写真は、どれも電車ばかりなのですよね。
駅舎や貨物列車を撮らなかったことに今になって後悔している自分。
でも、当時はフィルムが高くて、
むやみにカメラのシャッターが押せなかったのですよ、
…と言い訳してみたり。
好き勝手に写真が撮れないこの苦しみ、今の子たちにはわかるまい。
↑(富士駅方面)
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南甲府駅(平成27年12月29日)
↓(甲府駅方面)
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