今年で9回目を迎えた『大地の芸術祭 越後妻有アートトリエンナーレ2024』を観てきました。


 毎度このアートイベントに出向く時、悩みの種となるのが、いったいどうやって行くかです。アート作品が越後妻有一帶に点在しているからです。「妻有」という地域名は「どん詰まり」からきたといわれるぐらいですから、いかに奥地かがわかります。車かバイクでなければ効率的にまわることは難しいでしょう。

 検討した結果、今回選んだのはオフィシャルバスツアーを利用するという手段でした。結果的にこれは非常に良い選択でした。見どころを効率よく回れるうえに、移動の疲れや気苦労がまったくなく、お昼ご飯までついているからです。

 難点としては、どうしても制限時間内に移動しなければならないため、一箇所あたりの鑑賞時間が限られることです。これを承知の上ならば、おすすめの方法だと思います。

 これから大地の芸術祭を見に行こうという方の参考にもなると思いますので、今回はバスツアー編、見どころ編、美術館編の三回に分けてお届けします。まずはバスツアー編です。

 私が選んだのは「エチゴツマリコース」です。名前の通り越後妻有一帶を周るコースです。これぞ大地の芸術祭という作品が多く含まれており、初めて大地の芸術祭を見に行く方におすすめのコースとなっています。なお以下の文章は私の場合の体験です。実際の内容は公式ホームページでご確認ください。



 バスは越後湯沢駅を9時半に出発します。東京方面からですと9時5分越後湯沢着の新幹線に乗れば十分間に合います。もっとも私の場合は途中列車トラブルがあり10分ほど遅れてギリになってしまいましたが。

 夏休み期間中とあって40人乗りのバスは満席でした。席はあらかじめ決められています。お一人参加の場合は相席になることをご承知ください。

 エチゴツマリコースは1日コースなのでガイドがつきます。ガイドの方は美術に詳しいわけではありませんが、地元の話や芸術祭のエピソードなどを聞きながらバス旅を続けることができます。



 最初の作品は大地の芸術祭を代表するといってもいい作品「Tunnel of Light」です。このトンネルは往復1.5キロあります。全体の鑑賞時間は1時間と十分ありますが、突端の「水鏡」をじっくり楽しみたい方は、早めに歩かれたほうがいいでしょう。



 続いてバスは「たくさんの失われた窓のために」「別の場所から来た物」へ。どちらもとても車でないと行けない場所ですし、ガイドの方が的確にご案内してくれるので、効率的に鑑賞できます。



 午前の最後はボルタンスキーの「最後の教室」。この作品はほんとはじっくり滞在して鑑賞したいところですが、時間の関係で急ぎ足になります。残念ですがしょうがないところです。



 続いて奴奈川キャンバスでお昼ご飯。米どころ新潟だけに、ごはんが特に美味しい!おかわりしすぎないように注意しましょう。また奴奈川キャンバスにもたくさんの作品があるため、忙しいですがご飯をたべたらすぐ鑑賞をおすすめします。



 午後は「まつだい農舞台」「絵本と木の美術館」を観て、最後は「越後妻有里山現代美術館MonET」へ。この時点で4時半。そして出発時間は5時10分と鑑賞時間は40分ほどでした。じっくり鑑賞というわけにはいきませんが、館内をひとまわりし、それぞれの作品を楽しむぐらいの余裕はあります。なおツアーはここで離脱することも可能ですので、美術館を堪能したい方は離脱するのもいいでしょう。

 そして無事バスは定刻どおり6時に越後湯沢駅に。
ということで駆け足ではありますが、代表作をダイジェストで鑑賞できるという点で、おすすめのコースでした。

大地の芸術祭は11月10日まで開催中です。
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