現在、三菱一号館美術館で開催中の「印象派・光の系譜展」を観てきました。

 行ってみると久々に目にする美術館の前の行列。もちろん本展も事前予約制なのですが多くの方が押しかけています。予約自体も2週間前から売り切れ続出という盛況、人気ぶりでした。

 それもそのはず展示されている作品が良作ばかりなのです。

 歴史に残る傑作があるわけではありませんが、いずれの画家も充実期と思しき作品が並んでいます。



モネ《睡蓮の池》

 もちろん、このモネのように誰もが知る画家の誰もが知る絵も数多く並んでいます。その質の高さは恐るべし、イスラエル博物館という感じです。



モネ《ジヴェルニーの娘たち、陽光を浴びて》

 お馴染みのモネの積み藁も、ちょっと違った描き方の作品です。タイトルのように女性が日向ぼっこしているようです。



ゴッホ《プロヴァンスの収穫期》

 同じ畑を描いてもゴッホならこうなるという見本のような作品。青と黄色のコントラストがゴッホらしさ。奥の家の屋根のピンクが効果的です。



クールベ《岩のある風景》

 写実主義で知られるクールベですが、なんでこんな何ということはない風景を描いたのでしょうか。と思ってじっと見ていたら、なんだかこの岩、人面岩みたいじゃありませんか?岩の形の面白さに惹かれたとしか思えないのです。



レッサー・ユリィ《風景》

 このように有名画家の良作が並ぶ本展ですが、最大の目玉は、この日本初紹介というレッサー・ユリィです。

 白く輝く川面と黒く沈む森の対比が目に焼き付きます。画面の右側は森の隙間から赤が覗いています。その赤は川面にも映っています。どうやら時刻は夕闇が間近なようです。



レッサー・ユリィ《夜のポツダム広場》
撮影不可だったのでこれはポストカードです。

 そしてこの絵です。 夜の雨に煙る都会の広場を描いています。建物の窓の奥の明かりが濡れた路面に反射して黄色く輝いています。

 奥の建物には看板と街頭が煌めいています。人々の影は黒く揺らめいています。

 夜の風景を描いた作品で、これほど印象的な絵画は稀有だと思います。この絵を観た他の方も口々に「衝撃的」「すごい絵だ」とおっしゃていましいた。

 美術館側もこのことはよくわかっているようで、ミュージアムショップで扱われていたグッズの中で、モネの睡蓮に次いでアイテム数が多かったが、レッサー・ユリィのこの絵でした。

 レッサー・ユリィは1861年、現在のポーランド領で生まれました。その後主にベルリンで活動していました。生前はあまり評価されることはなく、生活も困窮していたそうです。

 今回、日本で紹介されて人気が出るといいなと思いました。

三菱一号館美術館
「印象派・光の系譜展」
は今週末1月16日までですが、残念ながら予約派いっぱいのようです。
220113