April 26, 2005

私の彼は左利き♪

テーマ:アーティストの生き方
先日、男脳・女脳 について書いたので、ついでに右脳・左脳の話も書いておこうと思う。

右脳と左脳の働きをまとめるとだいたい以下のようになるらしい。

左脳 右脳
・右手の運動
・言語認識
・論理的思考
・時間連鎖的思考
・計算処理
・じっくり記憶
・顕在意識(意識脳)
・ストレス
・左手の運動
・直感・ひらめき
・芸術性・創造性
・音楽感覚
・空間構成
・瞬間(イメージ)記憶
・潜在意識(無意識脳)
・リラックス



アーティストでミュージシャンで左利きの感性豊かな夫は間違いなく右脳男だ。
これは別に驚くにあたらないし、やっぱりって感じだ。

問題は彼の左脳は半分も機能してないんじゃないかと思われること。

彼はネイティブのくせに英語のスペリングがあやふやで、よくネイティブでもない私にスペルを尋ねてくる。

ある日、夫がディーラーさんに書いたレターを何気なく読み返している時に私は唖然とした。
スペルミスや文法ミスが異常に多いのだ。

しかも本人ちゃんと2回も読み返したというのだ。
どこに目がついてるんだ?

早速スペルチェッカーをコンピューターにインストールしてやったが効果は半分だけ。
だって私が何回説明してやってもitsとit's とかhers とherの区別できてないし・・・
恥ずかしくってしょうがないので今では彼の書いた大事なメールやレターは出す前に必ず私がチェックしてやることになっている。


まあ、でも彼はまだましな部類らしい。
彼のアーティスト仲間のピーターなんて「文盲」なのだ。
先進国で文盲に会ったのは始めてだが、この国ではけっこう多いらしい。
とにかく文字が踊って見えちゃうそうで短い文章を読むにも異常に長い時間を要するらしい。

あの、催眠学者のミルトン・エリクソンの逸話にあるように3とmの違いがわかんねってやつだな。
まぁ最近の日本も「ンとソ」、「シとツ」の文盲化現象(と勝手に呼ぶ)が激しいから他国のことバカにしてもいられねーや。

ちなみにいくら「ンとソ」を逆に書いてみても左脳退化させるだけで右脳開発にはならないよ、きっと。

右脳開発のために私がおすすめするのは意識的に左手を使うようにすることだ。
そうすることで自分の「右脳」を活性化して「右脳」の内なる声を聞くことが出来る。

自分の「右脳」が考えてることと「左脳」が考えてることは全然違うそうで、それを知るためのいい心理学の実験があるらしい。

まず、右手で10個の質問を書きながら、同時にその答えを左手で書いてみる。
次に、左手で10個の質問を書きながら、同時にその答えを右手で書いてみる。
そして両方を比べてみる。

ほとんどの人は自分が書いた答えの差に驚くらしい。
「見知らぬもう一人の自分」を発見するよい機会となるかも・・・


そういうえらそーなことほざいている私は実は両手利き。


小さい頃は左利きだったのに小学校に入学した時に強制的に右利きに直された。
右手で圧力を調整することができなくて字が書けるようになるまで、ものすごく苦労した。
今思えば、強制的に「左脳開発」させられていたのだ。

教室で先生から注意されなかった字を書く以外の「お絵描き」、「定規の線を引く」、「消しゴムで消す」などの行為は今でも左手を使う。
歯を磨くのもケツを拭くのも左手だ。
右手で書く字体と左手で書く字体はまったく違って人格も違うように感じられる。
私はいつも矛盾した別個の人格を意識しながら生きている。
強制的に利き手を変えさせられなかったら人格混乱に陥ることもなかったかもと思ってみたりする。

「右脳」と「左脳」

何事もバランスが大切だが、バランスが取れすぎて利き脳がないというのもまた問題なのかもしれない。(昔、体育の授業のハードルで次どっちの足で飛ぼうか決められなくてこんがらがっちゃった苦い経験を思いだす・・・)


それにしても夫にはもう少し左脳開発して欲しいが・・・

もう手遅れかな。


著者: 中谷 彰宏
タイトル: 3分で右脳が目覚めた。―日常生活で簡単“右脳トレーニング”
著者: ロバート オーンスタイン, Robert Ornstein, 藤井 留美
タイトル: 右脳は天才?それとも野獣?


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April 18, 2005

義母とのひそひそ話

テーマ:アーティストの生き方

昨日は彼のライブについて行く前に、義母と二人でゴルフの打ちっぱなしに行って来た。
ボール80個入りの中バケツを二人でシェアして一人三百円也。

話題は自然と彼のライブ のことになり、そのまま彼の性格のことに・・・

義母「これは私の夫の性格でもあるけど、あの子は本当に完璧主義者でなんでも必要以上にやり過ぎちゃうのよね。」

私 「ええ。しかも一つの技術を極めたら、それを繰り返して作っていれば効率も良くなるのに、創造性にこだわってあれこれ試行錯誤して常に新しいことを試みるからコスト・パフォーマンスが悪いったらないんですよね。」

義母「前にもあの子に言ったんだけど、ほらスチュワート・XXXがコミュニティーのためにちょっとした絵を描いてけっこう売れているのよ。
あの子の技量なら、そういうこと十分にサイドビジネスに出来ると思うのよね。」

私 「そうですねぇ。でもあの人、そういうお土産アーティスト、激しく軽蔑してますからねぇ。だいたいサイドビジネスのはずの音楽だって本業と同じ路線突っ走ってますから・・・顧客におべっか使って商業主義に走るなんて耐えられないと思うでしょう。」

実は夫の親兄弟はみんな彼を励まし支えながらも、彼のいないところでは彼の現実を見る目と柔軟性のなさに「ふ~」っとため息をついている。
しかも10代や20代の若者の話ではない。40過ぎたオヤジの話だ。行く末は誰だって心配になる。

義母「あなた達が老後の心配しなくても済むように、私たちの資産を遺してあげたいんだけど・・・」


えっえっえっ??? 何と申されました、お義母様?


実は義父は小さい会社ながらも副社長までのぼりつめた元エンジニア経営者。
彼らは年金の他に株の配当金で老後を暮らしている。
つまり優良企業株をけっこう持っている。

いや、それを全くあてにしてなかったわけではないけれども・・・
「いや、彼らは慈善団体に寄付するはずだよ」って夫が言ってたし・・・
期待しちゃいけないと思っていたのだが・・・




期待しちゃってもいいの?
(この親不孝者の末っ子め)




義母「でも90まで長生きしちゃったら食い潰しちゃいそうなのよね・・・」


ガラガラガラ~(淡い期待の崩れる音)


90とは言わず100まで生きるって、お義母様・・・
でも、お気持ちは嬉しいですヨ。

元気な義父母 を見倣って、老後に寝たきりなんかにならないように今から鍛えとこっと。

著者: ジム ストーヴァル, Jim Stovall, 大島 豊
タイトル: 究極の贈りもの―すべての人に伝えたい巨いなる心の遺産

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April 17, 2005

彼のライブへ

テーマ:アーティストの生き方
今日の午後は、彼がライブを行うバーに付き添って来た。
実は今回初めて一人400円くらいのカバーチャージをとったのだ。

ライブの収入はこれが3回目
ほとんど練習代わりの無料ライブを何度か行っているバーのマスターから心付けに4000円ほどもらったのが一回目。

二回目は2ヶ月程前に、フェスティバルの余興によばれてやはり4000円+ガソリン代を受け取った。
フェスティバルは田舎のアグリカルチャー・ショーで家から往復5時間もかかっていったのにステージの席はがらがらだった。
聴衆はちょっと椅子にすわって休憩したいおばちゃんが数人程度だった。
珍しい牛や羊や鶏が見れてそれなりに面白かったけどね。

今回稼いだ入場料は一万円弱。
といってもそのうち20人分くらいは親戚友人の義理出席なので喜んでいいものかよくわからない。
とりあえず、最初のカバーチャージ付きライブは成功。帰宅してからチョコレートでお祝いした。

最初の頃は彼のために緊張して見るだけでげっそり肩が凝るほどだったけど最近は安心して聞けるようになった。

はぁ~、でもこの人の音楽活動のために私はミキサーやらマイクやら新しいギターやら歌のレッスン費用やら50万以上は投資しているのだよなぁ。
黒字になるまで道は遠いなあ。

彼の敬愛するミュージシャン
  ↓↓↓
アーティスト: Kelly Joe Phelps
タイトル: Shine Eyed Mister Zen
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April 10, 2005

人生は短いから・・・

テーマ:アーティストの生き方
ある日、ヨーロッパのお金持ちから彼のもとに仕事の打診が来た。
超~お久しぶりの仕事の話だ!

聞くと、そのお金持ちは最近コレクションの盗難にあったらしい
そこで自分のコレクションを銀行の金庫に預けることにした
けれども時々手に取って鑑賞する楽しみがなくなってしまうのはまことに辛い
ついてはそのためのレプリカを作ってくれないだろうか

という話だった

E-MAILに添付されて来た骨董品の写真はなーんかサザビーとかのカタログとかで見かけたことがあるような・・・
この人のコレクションだったのか?
とにかく本物はかなり高額なものだ

作品のオリジナリティーにいつもこだわっている彼が引き受けるとは思えなかった

でも、彼はのどから手がでるほど仕事に飢えていたのだ
真剣に悩んだ末に彼は言った

「練習も兼ねて引き受けてみようかと思うんだけど・・・どう思う?」


ああああああ~っ
それほどまでに追いつめられていたのか・・・・
妥協はぜったいしないと思っていたこの人が・・・・


「それは、あんたが本当にしたい仕事ではないでしょう?
考えても見てよ。
盗難の備えのためのレプリカだよ。
つまり、また盗難される可能性があるってことだよ。
その人が持っている間はいいけど、いったんそれが外に出ちゃって
どっかのオークションに出されてしまったらどうするの?

どっかで偽物として出回ってしまって作ったのがあんただってわかったら
あんたの評判ガタ落ちになるじゃないの!」

全然収入がなくて焦る気持ちはもちろん痛いほどわかってる
背に腹はかえられないって気持ちになるのも当然だよね

でも、足もと見られてるんだよ、あんた
悔しいじゃないの
そこで妥協されたら
私、何のために働いてるのかわからなくなっちゃうじゃない!


「哀しいよね。同じ金額で僕のオリジナル作品が買えるのに。
それよりもレプリカがいいのか・・・」
寂しそうに彼はつぶやいた

本当にそう。彼にとってはすごい侮辱だ。
同じ値段で買える彼のオリジナル作品に価値を見いだせないなんて・・・
可哀相なお金持ちだ

結論を出した彼はこう返信した。
「僕は自分自身のアイディアを表現するために制作しています。
他人のアイディアを模倣するために費やすには人生はあまりにも短い。
せっかくのお話ですが、断らせていただきます。」

武士は食わねど高楊枝 
ごめんよ、私の侍根性押し付けて・・・

でも、あんたは職人である前にアーティストでありたいんでしょう。

だから、断ってすっきりしたよね

さらば3000ドル

著者: 増井 武士
タイトル: 迷う心の「整理学」―心をそっと置いといて

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April 06, 2005

グレちゃんからの意外な贈り物

テーマ:アーティストの生き方
夫の友達のグレちゃんは音響エンジニア
超多忙なグレちゃんはいつもコンサート・ツアーで各地を転々としているので友人が少ない
彼の結婚式に10年も音沙汰なしだった私の夫(私は初対面)が数少ない友人として招ばれたくらいだ

ところで、うちの夫も友人が少ない(ように見える)
友人がみな仕事や家庭で忙しくてかまってくれないのだ

今では二人の子持ちのグレちゃんとも、会うのは一年に一回くらい
グレちゃんは会うたびにいつも仕事で疲れ果ててるように見える

そんなグレちゃんが地元でコンサートの仕事がある時、無料チケットを手配してくれた
グレちゃんが担当するエリック・ビブというブルース・シンガーのコンサート

エリックのあたたかい人柄が感じられるアット・ホームな雰囲気のコンサートが終わり、出口に向かって歩いている途中、突然聞き慣れたサウンドが耳に入ってきた

「あっ! あんたの曲!」

夫はギター仲間のグレちゃんのお兄さんと話を始めている。

夫の袖を引っ張って「ちょっと、ちょっと あんたの曲だよ!」と教える

「えっ? 何言ってるの?」(不審そうな顔)

「あんたの曲が流れてるってば・・・」(まだイントロ中)

「えっ? どこで?」(大ボケ)

「だから~、今この場所でだってばぁ!」(上を指す)

歌の部分が始まるに至って「あっ、僕の歌だ」とやっと気づいた(しっかりしてくれ)

「僕の歌が流れてるよ!」と興奮しだす彼(だから1分も前からだって)

プロの見地からサウンド・アドバイスが欲しくて先日渡してあったデモCDをグレちゃんがかけてくれていたのだ

コンサート会場に響き渡る彼の曲

グレちゃんの優しさが心にしみる

ありがとう、グレちゃん

それにしても・・・

イントロが始まった瞬間にわかるなんてすごいなーって彼から尊敬されてしまった私

そりゃー昔イントロクイズは好きだったけどさー

外国人があの番組みて日本人の特技に度肝を抜かされたという話は聞いてたけどさー

自分の作った曲くらい・・・・早く気づけよ
アーティスト: Eric Bibb
タイトル: Home to Me

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March 23, 2005

アーティストの無収入副業

テーマ:アーティストの生き方
昔の情熱がふつふつと甦り、どうしても抑えることが出来なくなった彼は、夢を再び追いかけることにした。

本業が足踏みして在庫たまり放題だし

という事情もあったとは思うが、夢を実現させるには年齢的にも今動かないと手遅れと思ったようだ。

(もうとっくにリーチかかってると思うんだけど・・・)

彼の夢とは



プロのミュージシャンになること


あのな~

それは第二の収入源でなくて、貧乏アーティストの二乗というのではないのか?

と腹の中で思ったが、彼はマジで真剣なので何も言えない。

機材購入費用だ歌のレッスン費用だって・・・人生最後の挑戦を応援してあげたいから出したけどさ。

(私ってなんて太っ腹)



彼にとっては音楽も「自己表現」の手段なのだ。

つまり本業と同じ路線。

大衆受けしなさそうなオリジナル曲が次から次へと出来ていく。

才能あるとは思うよ。昔ギターの家庭教師やってた位だから指さばきも見事だし・・・。

毎晩毎晩、妻が発狂寸前になるまで練習してるしね。
お茶の水でねぎって買って来た宝物のマーティンD28カスタムモデルで・・・・・

でもね、ここでクラブやレストランでちょっと演奏してお小遣い稼ごうと思うんだったら、ノリのいい曲とかみんなが知ってるカバー曲とかもやらなきゃいけないでしょ。BGM待遇に甘んじなければならないことだってある。


ところが彼の場合、メッセージ性の強い短調の曲ばかりつくって聴衆に静かに聞いて欲しいと願うのだ。

場所と聴衆を選り好みする無名ミュージシャン。


自作CDまで作っちゃって・・・・売れるのか? ホントに。


著者: ヴィンテージ・ギター編集部
タイトル: マーティンD-28という伝説
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March 22, 2005

無収入記録更新中

テーマ:アーティストの生き方
といっても彼は無職なわけじゃない。(当然失業手当もなし)
私の夫は毎日規則正しく8時間働いている。
作品が売れないから在庫資産が増えていくだけ。

アーティストの収入が不安定なのは当たり前のこと。
私が定期収入を持ってこればいいだけのこと。

彼の収入はボーナスだと割り切ればいい。
その時に家のローンの返済が少し早まると思えばいい

っと思っていたが・・・

うちのボーナスは一年に2回も来ない。

前回家のローンの繰り上げ返済をしたのはいつだろう? (ついでだけど、この国は賃貸する方が高い)

もう3年以上も前のような気がする。
その間全く売り上げがなかったわけではないが、コストと税金を引いたら利益はゼロに近かった。

彼のせいではない(と思う)
景気のせいだ

9.11テロのあとはパッタリ売れなくなった。
どこかで戦争がある時は高価な芸術品は売れないという話を聞いてなぐさめにする。
在庫資産は増えているのだから。(保険代がよけいかかるよ~)

この間も、展示会で売れなかった作品が海外から返品されて来た。
売れないだけでも十分痛いのだが、売れないと返品コストまでかかるので泣きっ面に蜂である。
自分が買ったものじゃないのに、けっこう高い輸入税を支払わないといけないのだ。(高価な価格がついてしまっているので)
自分の売れ残り作品を引き取るためにこんなバカな話があるだろうか。
一度、税関と激しく口論してブラックリストに載せるぞと脅された。

彼に働きに出ろとは口が裂けてもいえない。
一度もオフィスで働いた経験のない人間である。
サラリーマンの彼なんて想像することもできない。

会社でストレスを貯める人間は私一人で十分だから。
彼にはいつも家で待ってて私を癒す存在であって欲しいから。

でも、あまりにも売れない期間が続くと彼も自信をなくしていじけてくる。

見かねたケビン義兄が自分のビジネスが忙しくなって来てアシスタントが欲しいんだけど・・・と助け舟をだしてくれた。
一週間に一日でも二日でもかまわないと。

なんて優しいんだ、ケビン義兄ちゃん。

しかし、うちの夫はこうのたまったのだ。

「本当はいやだけど、君が働いて欲しいって言うなら一週間に一日働きに出てもいいよ。それで少しでも君の負担が軽くなると思うなら働くから言ってくれ」

一週間に一日の労働でなんでこんな恩着せがましい言い方されなきゃならんのじゃ?私が仕事辞められるわけじゃなし。

「私に頼まれたってことをイヤイヤ働く理由にして欲しくないのよね。
自分が働いて家計に貢献したいと思うなら自主的に働けばいいし、イヤなんだったら自分の好きにしなさいよ。どっちにしても私の負担は変わりません!」
(素直に頼めばいいのに私のプライドが許さない)

そして、彼は自分の好きにした。
無収入記録更新中

今、彼は第二の収入源を求めて精力的に副業に打ち込んでいる。
私にはどう見ても金のかかる趣味にしか思えないのだが・・・

その副業とは・・・


つづく



著者: 橋本 治
タイトル: ぼくらの資本論―貧乏は正しい!
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March 13, 2005

スーツ嫌いの男

テーマ:アーティストの生き方
「ねぇ、結婚披露パーティーで僕、スーツ着なくてもいいよね?
今までに一度も着たことがないんだ」

35過ぎてスーツ今までに一度も着たことないって、この人・・・・・
どんな人生送って来たんだ?
オフィス勤めを一度も経験したことのない男。幸せなやつだ。

「そんなにイヤだったらスーツじゃなくてもいいけど、きちんとしたジャケットとネクタイぐらいはしてよね。
誰が主役かわかんなくなるじゃない。」

「えっ、ネクタイしなきゃだめ? ネクタイも今まで一度もしたことないんだけど・・・」

あちゃ~

「この際、ネクタイくらい一本買っておきなさいよ。急に必要になった時に困るでしょうが~。」

そうやってよそゆきのジャケット一着とネクタイ一本を買ってやった。

披露パーティをやらなかったらネクタイしない暦を更新していたことだろう。

それから、5年、6年と経過し、ちょっと改まった席でもその時に買ったよそゆきのジャケット一着でなんとか間に合わせて来た。

ところがやっぱりスーツを着る機会はやってくるのだ。
私の仕事の関係でフォーマル・ディナーに夫婦同伴で招待されることもある。

フォーマルな席になるべく出たくない彼にとって、「着ていくものがない」というのはとっても便利な言い訳である。

「ねぇ、ほらこの晩餐会、フルコースのタダ飯だよ。タダ飯!! 会社があんたの分まで出してくれるんだよ。ねっ、スーツ買って行こうよ。」

「ぼくは興味ない。堅苦しいところに行きたくないんだよ。だいたいタダ飯のためにスーツ買うなんて本末転倒だよ」

こうやって彼は何度フォーマルの席に顔を出すのを避けて来たことか・・・

着るものがないのを言い訳にされるのはもうたくさん!っということで、セールの時期に彼をデパートに強制連行してスーツを買う決意をする。

彼を降参させた最後の決め手の言葉は。。。


父の葬式に備えて。

病床についていた私の父はいつ逝ってもおかしくない状況だったので、これには彼も反撃の余地がなかった。


多分2年に1回くらいしか着る機会がないだろうから、長く使える質のいいものを買ってやらなければ・・・
そうは思っても私もスーツのことなど皆目わからない。

ちょっと恥ずかしいがデパートの紳士服売り場でこう聞いてみる。

「あの~、20年経っても流行遅れにならないようなオーソドックスなデザインで葬式でもフォーマルでもセミフォーマルの場でも浮かない色のオールマイティなスーツが欲しいんですけど・・・」

こうして純メリノ100%のかなり黒に近いが真っ黒ではないチャコールグレーのスーツを買った。
彼にとっては一生に一着のスーツとなるだろう。




その後、一年も経たずに父が逝った。

「ほらね。買っておいて良かったでしょ。」

亡父の弔辞用ネクタイを借りて葬式に出た。


著者: 橋詰 俊勝
タイトル: スーツを脱いで夕食を―サラリーマン恋の五行歌
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March 08, 2005

ドキュメンタリーは真実か?

テーマ:アーティストの生き方
日本の伝統美を追求する外国人がいるというのでテレビ局が彼のもとに取材に来た。
新婚ほやほや当時、まだ日本に住んでいた頃の話である。

ニュースの後、朝ドラの前の地域版トピックスで彼の活動と作品が放映されちゃうのだ。
たかだか6分間のドキュメンタリーといっても撮影は1日がかりである。

「作品の説明は英語でもいいですか?」
「いや、できれば日本語でお願いします」

彼は紙に書いた日本語の説明をつっかからずに言えるように何度も何度も一生懸命に練習した。
撮影当日、練習の成果なく緊張でつっかかりまくる彼。

あきらめたクルー陣
「あ~、やっぱり、英語でいいです。英語で説明して下さい。」
(早く言ってやれよ。可哀相に。)

あとは一緒に町を歩いているとシーンとか、
彼のお気に入りの寺の山門彫刻を眺めているシーンとか、
一緒にごはんを食べているシーンとか
を撮影したわけだ。

テーブルに食事を並べようとすると

「あっ、こっちのこたつの方が雰囲気が出るな。
こっちに移して座って食事してくれませんか?」

(おいおい、これはやらせとは言わないのか?)

「じゃ、カメラ回しますので、そこでちょっと和やかに雑談して下さい」

はいよ、はいよ

「じゃ、ちょっと奥様にも質問しますので」

ここで私はぱきぱきとしゃべったわけだな。
インタビューでの彼の受け答えがあまりにも(英語でさえも)自信なさそーに貧弱だったもんだから、つい彼の分まで頑張ってしまったわけだ。

若気の至りである。

彼が「今は彼女の収入で暮らしているけれど、早く自分で生計を立てられるようになりたい」
な~んて言うから

「妥協しないで後世に残るような素晴らしい作品作りに専念して欲しい」
と理解ある妻ぶりをアピールしていたのだ。

さて、放送当日。
ほがらかなBGMに乗って彼の作品が一つずつ紹介され、彼の略歴や私たちの生活の様子が映し出された。
スクリーンで私の顔がアップになる。

「いやー、彼と会うまで何も知らなかったんです。彼の方が詳しいのでいつも日本のこと教えられてます。」

あの~、この一言だけ?
これじゃあ、バカ丸出しじゃん。
あんなにいっぱい喋ったのに、ちょっとおまけに付け足したこの言葉だけわざわざ切り取って使うか?

ドキュメンタリーとはこういうものである。

編集者にはすでに作りたいイメージというものがあって、それに合う材料だけが選ばれる。
ここでは「外国人なのに日本通」というイメージが際立つ材料だけ欲しかったわけで、それ以外は全部ゴミだったのだ。

ドキュメンタリーをまるごと信じてはいけない。


余談ではあるが、あれから9年。
彼が生計を立てられるようになる気配は・・・今のところない。


著者: 草野 厚
タイトル: テレビ報道の正しい見方
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March 02, 2005

アーティストは素材にこだわる

テーマ:アーティストの生き方
私はファッションとかスタイルにこだわりはない、ということは前回にも書いた。

形あるのもは全て無に帰するという禅的な思いが心のどこか奥底にあり、それが私のどうしようもない無頓着ぶりに少なからず影響しているのだろう。
(どちらかというと言い訳にしているような気もするが・・)


そんなわけで、一緒に暮らし始めてからというもの、家の中のものは完全に彼のこだわりの支配下に置かれてしまっている。

といっても彼は流行に敏感であるとか洒落たセンスがある、というわけではない。
むしろ重厚というか、ちょっとオリジナルな趣味の持ち主である。

まず、ナチュラル志向である。
合成のまやかしが大嫌いである。
素材にこだわるのだ。

手始めに、私のオフィス用の服が徹底的な弾劾の対象となった。

ぐーたらの私のクローゼットは洗濯した後アイロンをかけなくてもいいポリエステル100%のオフィス用ブラウスのオンパレードだった。

彼にとって化繊100%の服はとても気持ちの悪いものらしい。
(それがウエディングドレスを買う時に躊躇した理由である)

まずリネンはコットン100%でなければいけない。(これが高い)
服もコットンとか麻とか自然のものでなければいけない。

っていったい毎日の会社勤めのために誰がアイロンかけるんだよ?(当然、彼の仕事となった)

家具もちゃんとした木材からできていなければならない。
ベニヤ板とか、合成樹脂の家具は鼻でせせら笑われる。

といっても、大量生産時代の昨今、本当の木製の家具というのはなかなか見当たらないものである。
スタイリッシュな流線型の家具はたいてい合成樹脂である。

私は彼と住み始めるまで木製のテーブルか合成樹脂製のテーブルかの区別などついていなかった。(だってどっちも木目ついてるじゃん)

本物の木製の家具は加工の制約で高いくせに個性もない角張った面白くないデザインが多い。少なくとも私たちの予算でなんとか届くものは。。。

素材も本物で加工も一流で、となると当然貧乏アーティストに手が出るものではない。

貧乏なのに目だけ肥えているという事実は不幸である。

いつまで経っても家具がそろわないのだ。

去年、7年目にしてやっと妥協してベッドを買った。
今年、8年目にしてやっと妥協して洋服タンスを買った。

彼のこだわりも不便には勝てなかったようである。

著者: エルウィン ビライ, Erwin Viray, 古山 正雄タイトル: 素材の美学―表面が動き始めるとき…
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