THE HEADLINERS 2024―陶芸フェス、はじめます。 | アートテラー・とに~の【ここにしかない美術室】

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久しぶりに茨城県陶芸美術館に行ってきました。

 

 

 

こちらで現在開催されているのが、

“THE HEADLINERS 2024”という展覧会。

サブタイトルは、「陶芸フェス、はじめます。」。
すでに面白そうなニオイがプンプンとしています。

 

 

 

出演・・・もとい、参加作家は19名。

その大半を20代30代の若手が占めています。

茨城県陶芸美術館が厳選しただけあって、

若手とはいっても、その実力は折り紙付き。

ネクストブレイク間違いなしの作家ばかりです。

 

 

 

気になる作家はたくさんいましたが、

全員紹介していたらキリがないので、泣く泣く5人に絞ってご紹介いたしましょう。

まず紹介したいのは、1994年生まれの丸山純さん。

本展のメインビジュアルにも採用されている《角人形》を制作しています。

 

 

 

初めて目にする作品なのに、出逢った瞬間にどこか懐かしい気持ちになりました。

しかも、自分自身の記憶の奥底というよりも、

まるで前前前世の記憶を呼び起こされたような。

なんとも不思議な鑑賞体験でした。

 

続いては、岡安真美さん。

彼女の作品の一番の特徴は、

その表面にびっしりとドットが施されていること。

 

 

 

無数のドットは、ともすれば、

気味が悪く感じられる可能性もありますが。

彼女の作品の場合は、ドットの配置が規則正しく、

かつ、粒の大きさも絶妙に変えてあるので、そうはならず。

数学的な美しさのようなものを感じました。

ちなみに、岡安さんはこんな作品も制作しています。

 

 

 

ドットの美しさもさることながら、

リンゴの実の色合いのリアルさに、思わず見とれてしまいました。

本物のリンゴよりも、むしろこちらの方が美味しそうです。

 

 

3人目に紹介したいのは、

虫をモチーフにした作品を制作している奥村巴菜さん。

“虫は苦手…”という方は少なくないでしょう。

かくいう自分も虫は苦手なのですが、

奥村さんの生み出す虫は、不思議と観ていられます。

何なら家にお迎えしたいくらい。

 

 

 

・・・・・ただし。

フェス会場の中央にいた巨大な虫たちに関しては、ちゃんと苦手でした(笑)

 

 

 

今にも動き出しそうなリアルさがあり、

これが襲ってきたらどうなるだろうと考えたら、

リアルに足がすくんでしまいました

鏡に映ったお腹側もリアル!

 

 

4人目は、由良薫子さん。

妖怪をモチーフにした作品で注目される若手作家です。

ドロドロしたテクスチャーが特徴的な妖怪ならぬ「熔怪」シリーズも気になりましたが。

 

 

 

個人的には、《ネオン街》という作品がお気に入り。

 

 

 

パッと見は、華やかな金襴手のようですが、

近づいてよく観てみると、随所に妖怪や生き物たちと、

店名が妖怪の名前の看板がビッシリと描かれていました。

 

 

 

そんなお店無いだろ・・・と、ツッコみたくなりましたが。

いや、日本全国探せば、もしかしたら、

1軒くらいは実在しているような気もします。

その妙なリアリティがツボにハマりました。

 

 

最後に紹介したいのは、もっともフェス感のあった作品。

東京藝術大学を卒業したばかりの早野樹さんによる女性像の数々です。

 

 

 

ポージングといい、ファッションセンスといい、

絶妙に、フェスの会場にいそうな感じがします。

それと、いわゆるフィギュアとは違う独特のプロポーションは、

なんとなくですが、初期のプレステのゲームを彷彿とさせるものがありました。

 

 

さてさて。

会場には他にも、フェスを盛り上げる作品がたくさんありましたが。

 

 

 

それらの作品以上に、フェス感を出していたのが、

展覧会のラストに飾られていた陶芸フェスのオリジナルグッズです。

 

 

 

Tシャツにタオルにリストバンドに...etc

 

 

 

陶芸フェスの想い出に、Tシャツでも買って帰ろうと思ったら、。

なんとこれらのオリジナルグッズは、どれも非売品なのだそうです。

すべては、陶芸フェスを盛り上げるため。

それだけのために制作されたそうです(笑)

なお、陶芸フェスは今年2025年にも開催予定とのこと。

息の長いイベントになるよう願っております。

星

 

 

 

 

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