モーソウ09 《聖フランシスコ・ザビエル像》 | アートテラー・とに~の【ここにしかない美術室】

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重要文化財《聖フランシスコ・ザビエル像》
大正時代に発見されるまで、

300年近く大阪の隠れキリシタンの里で守り伝えられてきた。
和文冒頭の「瑳聞落怒青周呼山別論廖」は『聖フランシスコ・ザビエル』と読むらしい。

 

教科書でお馴染みの《聖フランシスコ・ザビエル像》

この絵で何よりも目が向くのは、カトリック教会の修道士独自の髪型「トンスラ」。

なぜ、わざわざ頭頂部を剃りあげるのか?

キリストが磔刑に処せられた際の茨の冠を模した、

という説もあるようですが、実は、その由来は定かでないとか。

案外こんな理由だったりして―

 

「はぁ・・・」

「どうした?最近、なんか全然元気ないじゃん」

「あ、いや、何でもないよ」

「何でもないわけないだろ。俺に話してみろよ。親友だろ」

「ありがとう。実はさ、頭の上が完全に禿げちゃって。

「どうか生えますように!」って毎日、

主に祈ってるんだけど、全然復活の気配がなくてさぁ。

  あー、恥ずかしくて、人前で布教なんてしたくないよ」

「そんな小さなこと気にするなよ」

「気にするよ!気にしないわけねーだろ!

お前はなぁ!ふさふさだから、俺の気持ちなんてわかんないんだよ!

ちくしょう、バカヤロー!」

「おい!どこ行くんだよ!」

 

数日後。

 

「この前はお前の気持ちも考えずに、無神経なこと言っちゃってごめんな」

「俺のほうこそ、八つ当たりしてごめん。

 ところで、お前、何でフードかぶってるの?」

「実はさ、じゃーん!俺もお前と同じ髪型にしてみたんだ!」

「えー!」

「しかも、俺だけじゃないぜ。他の修道士たちも、ほら!」

「み、みんなー!」

「お前にだけ恥ずかしい想いはさせないぜ」

 

・・・と、これは良いモーソウ。逆に、悪いモーソウも。

 

「修道院長、お呼びでしょうか?」

「うむ。全員揃ったか?」

「はい」

「見ての通り、ワシは最近頭頂部がハゲてきた。

 そのせいで信者たちから陰でハゲと呼ばれはじめておるらしい。

 だから、明日からお前たちも全員、俺と同じ髪型な」

「・・・」

 

 

 

 

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