先日、『芸術新潮』11月号が10月24日発売されました。
特集は「ムッシュ印象派 モネのすべて」。
日本人が好きな画家ランキングでは、
常にトップ5入りしているクロード・モネの特集号です。
ところが、意外なことに、『芸術新潮』でモネの特集が組まれるのは、
1992年11月号の「なんと素晴らしい!!モネの"眼"』以来、32年ぶりとのこと!
えっ?そんなに長いこと、モネって特集が組まれてなかったの?!
そこでふと疑問が浮かびました。
約75年の歴史を誇る『芸術新潮』で、
もっとも特集を組まれた芸術家は誰なのでしょうか。
というわけで、1950年の1月号から、
バックナンバーをすべて調べてみました。
モネが特集で組まれたのは、たった2回だけ。
ムンクやマティス、フェルメールも5回。
毎年のように特集が組まれていそうな、
葛飾北斎にいたっては、過去に4回しか特集が組まれていませんでした。
では、気になるランキング結果の発表です!
☆ Ranking ランキング
第7位 藤田嗣治 6回
1964年5月号「藤田嗣治の贋作」を皮切りに、
1974年2月号「藤田嗣治「日本脱出」の手紙」、
2018年8月号「藤田嗣治と5人の妻(おんな)たち」など、
コンスタントに計6回の特集を組まれています。
第7位 ポール・ゴーギャン 6回
藤田嗣治と同じく、ゴーギャンも6回特集を組まれています。
1987年3月号では「悪役ゴーギャンの魅力」という特集も。
ダンプ松本が活躍していた1980年代、ゴーギャンも悪役だったのですね。
第3位 フィンセント・ファン・ゴッホ 7回
藤田嗣治やゴーギャンよりも1回多く、
特集を組まれた画家は4人も存在していました。
そのうちの1人が、ゴッホ。
初抜擢は1958年10月号の「ゴッホ展への招待」。
そして、なんとその翌月に「ゴッホ展を観て」という特集が組まれています。
来年2025年は、上野の森美術館などで大きなゴッホ展が開催予定。
特集を組まれる可能性は大いにあります。
第3位 岡本太郎 7回
同率3位の芸術家2人目は、岡本太郎。
大阪万博が行われた1968年の6月号では、
「岡本太郎・万国博のヴィジョン」という特集が組まれたようです。
なお、「さよなら、岡本太郎」を最後に、特集は組まれていない模様。
そろそろ、「帰ってきた岡本太郎」特集があるかも?
第3位 サルバドール・ダリ 7回
やっぱりダリはランクイン。
20世紀最大の鬼才だけあって、
特集号も「ダリの料理 : その表現と味覚」や、
「ダリ・生きている化石」など、奇才な感じを漂わせていました。
第3位 ベルナール・ビュフェ 7回
同率3位の画家ラストは意外にも、ベルナール・ビュフェ。
1961年11月号「 ビュッフェ自身のための礼拝堂」や、
1977年4月号「ビュッフェの新作「地獄」」など、7度も特集を組まれていました。
第2位 石本正 8回
このランキング最大の番狂わせともいえるのが、
計8回も特集を組まれた京都の日本画家・石本正。
2023年に京都市京セラ美術館で、
生誕100年の回顧展が開催されてはいますが、
そこまで知名度のある画家では無いような(←失礼!)。
生前は数字を持った人気画家だったようです。
第1位 パブロ・ピカソ ?回
『芸術新潮』で特集を組まれた回数が多い芸術家ランキング。
堂々の1位は、20世紀最大の画家ピカソ。
1951年9月に初めて特集を組まれて以来、合計22回も特集を組まれています。
他を寄せ付けない圧倒的な第1位です。
特集されることが多すぎたからでしょうか。
1962年6月号では「ピカソの「日々の愉しみ」」と、
プライベートな一面にスポットが当てられていたようです。
さらに、1965年の1月号には、
「別れた妻フランソワーズ・ジローが語るピカソの裏側」という特集も。
1984年5月号では、なぜか関西弁で、
「ピカソはほんまに天才か」と特集を組まれていました。