~前回までのあらすじ~
……日本の国宝は多いってわかっていたのに、
……なんでもっと集めようと思わなかったんだろう。
そんなきっかけから、“国宝を集める”ために旅をしている国宝ハンター・とに~。
これまでにハンティングした国宝の数は、実に1050件。
国宝ハンターを続ける理由を、彼はこう述べる。
「国宝は探し求めている時が一番楽しいんだよ。」と。
昨年に引き続き、今年もトーハクにて、
“新指定 国宝・重要文化財”が開催されています。
令和6年に、重要文化財から、
国宝に昇格した文化財の数は、実に6件!
展覧会では、そのうちの4件が集結していました。
まずは、京都の大報恩寺が所蔵する、
《木造六観音菩薩像》(ジャンル:彫刻)と《木造地蔵菩薩立像》(ジャンル:彫刻)。
合わせて1件とカウントされているようです。
2018年にトーハクで開催されていた展覧会、
“京都 大報恩寺 快慶・定慶のみほとけ”にも、
これらの仏像は、出展されていましたが。
その時はまだ、重要文化財だったので、
国宝ハンター的には、下に見ていました(←?)。
国宝に指定された上で、今回改めて観てみたところ、
光背も含めて、その精緻に作られたお姿に感銘を受けた次第です。
特に印象的だったのは、指先の美しさ。
まるで動きが感じられるようでした。
手が数本もあるので、テキパキと手話をしているようにも見えました。
続いて紹介されていた国宝は、
金峯神社が所蔵する《金峯山経塚出土紺紙金字経》(ジャンル:書籍・典籍)と、
金峯山寺が所蔵する《金峯山経塚出土紺紙金字経》(ジャンル:書籍・典籍)と。
どちらも名前が同じなのは、もともと一緒のものだったから。
藤原道長とひ孫の師通が金峯山に埋めたお経で、
いつ頃からか、金峯神社と金峯山寺に分かれて保存されていたそう。
なお、金峯山寺のほうは、2015年に納戸から、
風呂敷に包まれて木箱に入った状態で見つかったとか。
長い間、納戸に眠っていた国宝なんて、おそらくこの1件くらいではないでしょうか。
4件目の国宝は、《三重県宝塚一号墳出土埴輪》(ジャンル:考古資料)。
これまでの国宝の埴輪は、そのほとんどが人の形をしていますが。
《三重県宝塚一号墳出土埴輪》の中でもっとも代表的な埴輪は、船の形をしています。
これほど大型の船の埴輪がほぼ残存している例は、他にないのだとか。
あまりにも立派で風格のあるこの埴輪を、
もし、彦摩呂が目にしたなら、きっとこう言うに違いありません。
「埴輪のクイーン・エリザベスや~」。
さて、残念ながら、本展に出展されていない国宝も。
そのうちの一つが、多賀城碑。
こちらは巨大な石碑ゆえ、物理的に移動させることができません。
近いうちに、多賀城碑を観るために、宮城県に足を延ばす必要がありそうです。
それから、もう一件出展されていなかったのが、
宮内庁が所蔵する《和漢朗詠集(雲紙)》(ジャンル:書籍・典籍)です。
しかし、よくよく思い出してみれば、こちらに関しては、
国宝に新指定されたことが発表された3月15日以降、
具体的には、3月26日に『ニッポンぶらァ~ト』の取材で訪れた、
皇居三の丸尚蔵館の“皇室のみやび”展で目にしていました。
ついでに、同じ展覧会で、昨年、国宝に指定されたばかりの、
《更級日記<藤原定家筆/>》(ジャンル:書籍・典籍)もハンティングしていました。
やっててよかった『ニッポンぶらァ~ト』!
今現在の国宝ハンティング数 1056/1143(1137改め)
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